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ミステリに含まれる記事が2060件見つかりました。
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消えた30の瞳
セスナ機遭難事故から、1年が経った先日、何も発見されないまま、家族と自治体の、合同の慰霊祭が行われた。 矢口と野崎も参列したが、家族の悲しむ言葉を聞くと、目頭が熱くなった。 1年が経った今でも、矢口たち山岳警備隊のメンバーは、時間を見つけては捜索活動を、続けていた。 その日、矢口と野崎は、一番“鳴神山”寄りの沢へ向かった。 5号目の山小屋を出て、東へ向かい、遭難した翌日の捜索と、同じルートをた
内田俊章 [425] -
リレー小説「秘密」:ゅゅ
本当に全然分からなかった! 洋子はユーリに言った。「あのね、二人で入れ代わったのは直子の考えたことなの。直子はわざといなくなったのよ。私も詳しくは知らないんだけどね」 え? わざと? ……なんでなんで!? しかしユーリが口を開く前に洋子が身を乗り出して来た。「ねえねえそれでユーリの秘密って、なんなの?」(あ……そうか。私も言わなきゃね……) ユーリは咳ばらいを一つした。 そして洋子の目を見据え
ゅゅ [556] -
買い取り
午前6時21分―\r上半身裸の男性の遺体が発見された。発見場所は東京のとあるマンションのエントランス入口。通勤しようとマンションを出たサラリーマンによって発見される。名前 井上 尚樹年齢 四三歳未婚職業 日雇いアルバイト死因 首大動脈損傷による出血死死亡推定時刻 午前2時〜午前5時第一発見者の通報によりすぐさま警察が駆け付ける騒ぎになった。撮影後、遺体にはブルーシートが掛けられ被害
ルカイ [883] -
リレー小説「秘密」:唯沙
【第三章】第一話 直子とユーリの間に流れる沈黙。楽しいはずの旅行がこんな風になろうとはユーリは思ってもいなかった…。直子は気を取り直すかのように 「海に行こう!泳ごう!!そこで話すよ…。」と言った。食事をすませて海に行く支度をしている間の沈黙は堪え難いものだった。けれど、海に出てみるとすっきりとした気分になっていた。朝の9時だと言うのに気温は35度を超えている。そして、熱した砂の上をビーチサンダ
唯沙 [630] -
消えた30の瞳 ?
セスナ機が遭難して3日目の夜の事である。 山岳警備隊の隊長で、今回の対策本部長である斉藤が、記者会見を行った。 「出来る限りの方法で捜索しましたが、現時点では、何の手掛かりも無く、遭難者の生存は、絶望的と思われます」と。 当然、家族やマスコミから、様々な質問が出たが『捜索方法や内容には、問題ない』と言い切った。 家族もちろん、捜索隊の落胆は大きかった。 当初セスナ機は、通信機器の故障で、どこか
内田俊章 [365] -
消えた30の瞳 ?
地図は完成したが、矢口の父親は、頑固で変わり者。 その様な父親が手掛けた地図を、役所を始め、ほとんどの者が、正式な物とは認めず、活用はされなかった。 ところが、昨年の夏に発生した滑落事故で、その地図は活躍した。 古い雪渓と、比較的新しい雪渓の間には、明確な境目が出来る事がある。 役所の地図は、それを一つの塊の様に表記しているが、矢口の父親の地図には、その境目が明確に書かれていた。 更にその下に
内田俊章 [387] -
リレー小説「秘密」:木村蜜実
「えっ?」ユーリは箸を止め直子の顔をうかがう。直子の表情は少し怖い感じに見えた。「海の家のオヤジが言ってたんだ。」(…あのおっさん…オシャベリ!!)こうなったら、適当に理由を作るしかない。「そうなの?なんかさ〜昨日の子どうなったのかな〜って思ってさ…。」直子はこちらを見ない。ユーリは目を合わせない直子に、不信感を抱く。「そうなの。ユーリ、あんまり突っ込んだ事しないほうがいいんじゃない?」直子の瞳
木村蜜実 [493] -
消えた30の瞳 ?
矢口の、今は亡き父親は、“恐神岳山岳警備隊”の、初代隊長である。 当時も毎年の様に、遭難事故が有り「もっと正確な地図を作れ」と、市役所に対して、何度も進言したが、市役所の観光課は「国が作った地図は正確だ!」と言って、聞き入れてくれなかった。 仕方なく矢口の父親は、実際に自分の足で歩き、万年雪の厚さや、その下の谷の深さ等を測量して、独自の地図を作ったのだ。 とは言っても、完成する直前に父親は、還
内田俊章 [385] -
消えた30の瞳 ?
矢口たちは、北側の谷を、一つずつ捜索することにした。 雪が積もったとは言え、昨日の今日である。 もし墜落したのなら、何らかの残骸が有っても良いのだが、それが何一つ発見出来ない。 一つの谷の万年雪は、学校のグランド程もある。 捜索隊は、積もった雪を足でかき分けながら、滑らかな雪渓の表面に、セスナ機が接触した傷が無いかを、探して歩いた。 「この辺は、3m位(万年雪の深さ)だな」 野崎は、地図を広げ
内田俊章 [376] -
リレー小説「秘密」:ミッシェル
直子のその様子に、ユーリは少々戸惑いながらも、無理やり平静を装って自分も食事に集中する。すると、直子が突然尋ねてきた。 「ねェユーリ。何で洞窟なんかに行ったの?」直子がそう尋ねた直後、ユーリの箸の動きがピタッと止まった。…そしてその目は丸くなる。 ユーリは必死に平静を装いながら、 「あ、あの…」(ヤバい…。何て答えれば…。ホントの事を話せば探偵の事がバレてしまうし…)…頭の中で必死に考えるユーリ
ミッシェル [672]