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ミステリに含まれる記事が2060件見つかりました。
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ハーフムーン (61)
ミユキは、明日香と運転手という組み合わせに少々面食らっていたが、視線はすでにマモルの側に集中していた。マモル自身に、居なくなった理由を問いただしたくて仕方が無かったからだ。マモルは誰かと喋っていた。鼻にタバコを刺して立っていた抽選会の男がフラフラ移動すると、陰に隠れていた人物が姿を現した。――それは紛れもなくショウだった。ショウとマモルは、周囲のお祭り騒ぎとは関係なく、真面目な表情で話していた。
翔 [950] -
ハーフムーン (60)
アルバイトがマスターに言った。「どうだい?今回マスターをやってみて。勉強になったか?」「はい社長!今回『スナックメラミン』そして『カフェパンデミック』のマスターを演じさせていただいて非常に勉強になりました。将来は本当のマスターになれるよう日々精進します」「ウム…よし。まずは、私が演じたように、ティッシュ配りから始めてくれ」二人のやり取りを一部始終見ていたミユキは“労使逆転”のその展開に、頭の整理
翔 [916] -
一日一善
私は幼い時から 両親にこう言われて育った「人のためになりなさい」「困ってる人がいたら 手を貸してあげなさい」そんな優しかった両親も こんな私をおいて さっさとあの世に行ってしまった親孝行の出来なかった私は心に誓う「両親の言葉 必ず守りますね」そして今日も来た真っ暗な中 そこだけにともされた灯りに吸い寄せられる昆虫のように・・・彼らは必ず 一度立ち止まるきっと今 一番辛い時だろう!恐怖と戦ってる時
ヤッホー [528] -
足りない物語?
みんなに聞いても「は?何言ってんだテメェ。しばくぞゴラァ」 って言う顔をされるだけだし。だから僕、がんばって見目さんに聞いてみるんだ。 8月×日僕は休み時間見目さんを呼び出した。「なぁに?和灸君」「あ…あのさ」 緊張のためかうまく言葉が出ない。わーこれじゃまるで僕が見目さんに告白しようとしてるみたいじゃないかぁ。「……見目さんって性格変わったよね…」「!!?」 はっ!もしかして聞いてはいけない
みよん♪ [553] -
足りない物語?
僕は一介の中学生だ、と思う(笑)。 僕は笹限 和灸(ささかぎり わと)と言って割と普通な私生活を送っている。でも最近、何か嫌な予感がするんだ。理由は、クラスメイトの見目 里(みめ さと)さんの行動だ。 普段―――って言うか今まで地味で目立たない存在だった彼女が急に豹変した。すごく明るくて面白い人になったんだ。それだけならいいけど、何故かみんなは彼女が変わったことに気付かないんだ!
みよん♪ [584] -
ハーフムーン (59)
ミユキは更に観察を続けた。手前の方に目をやると、派手な服装の中年の男女と、その息子と思われる3人が固まって座っている。――抽選会場でそれぞれ1等・2等・3等と当選した3人だ。そこへ今度は、水色のブレザーに紺の蝶ネクタイをした、背の高い男がやって来た。避暑地のホテルにいたフロントマンである。何故かその男が、親子3人のところへ来て、ビールを注ぎながら、こう話した。「皆様方には、本当にお手数おかけしま
翔 [1,105] -
4の呼吸 5-1
放課後の教室は何故だか好きではない。しかし、今日に限ってはそうではなかった。今朝の"ビックニュース"があったからだ。 明(アキラ)は家に電話をかけていた。今日の塾はあまり気が乗らないから行きたくないとかそういうくだらない内容だった。 「どうしたー明?早く帰ろうぜ!」 魁の呼びかけに明は電話を途中にして帰る準備を急いだ。 「うん、わかったよ魁。おい、亘も急げよー。」 亘がもたついているのを見て
SABLA [399] -
奈落の花
エピソード0【序章】『ねぇ、美嘉あの事件から、もう10年もたったよ』女性は、空を見上げながら風に靡く髪を手で抑える。『時が経つのって早いのね』今にも泣きだしそうな彼女は、ポケットの中から一枚の写真を取り出した。「静奈…」「……………」彼に呼ばれ、彼女は彼の顔を見る。その目には涙がたまっていた。「大丈夫か?」彼が何度心配そうに声を掛けても、彼女は、大丈夫だからと言う。しかし、泣いている彼女が言
ゆーき・ののか [489] -
声
一年前の夏 私は愛する息子を不慮の事故で亡くした。今日は息子の命日である。午後2時。自宅の電話が鳴った。『母さん、オレ』聞き覚えのない男の声。男は『オレ』としか言わない。車で人を轢いてしまった。示談金が必要だから50万都合つけてほしいと泣きながら私に助けを求めてきた。なんてこと…よりにもよって、あの子の死んだ日に、あの子を装って、私から、お金を騙し取ろうとするなんて…私は、電話口の男に言った。『
凛 [597] -
4の呼吸 4-6
「本当に明るい子だったんですよ・・・」 彼女の様子に阿部はいたたまれない気持ちになった。しかし木戸はそうもいかないようだ。 「すいませんねぇ、先生。こちらとしても出来るだけ子供達に配慮しながら捜査してますが、なんにせよ殺人ですからねぇ。明日にはニュースや噂やらで子供達の耳に届くのは確実です。」 それを聞いて彼女はそうですね、とだけ答えた。明日からのドタバタを想像したのだろうか、声に力がなか
SABLA [435]