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ミステリに含まれる記事が2060件見つかりました。
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黒髪の少年は2
「サキせんせいだ〜!」がき大将に集められた子は3人。桜の木の下で地面に落書きをしていたが、私を見て顔を上げぱっと笑った。「かくれんぼいっしょにするの?」私を見た瞬間抱き着いて来た子が、サクラぐみのアイドルこと榊美祢ちゃんだ。茶色めの髪を揺らし、大きな瞳でこっちを見た。「するよ〜!」揃った前髪を乱しておでこを撫でると、嬉しそうな顔をする。「ねーりゅうくん、だれがおに?」「じゃんけんで決める!」泥を
枕 [456] -
黒髪の少年は1
「ふじやまほいくえんから、さくらぐみに、てんえんしてきました、あらい けんと です。よろしくおねがいします!」私は、松風保育園の保育士の佐々木サキだ。昔からの憧れであった保育士になって早2年。まだ新米だが、児童にも慕われているつもりだし、園長にも期待されているようで、中々に信用されている。今年はサクラぐみ(5才児)を任され、目まぐるしく活躍する予定だ。「ハイ、新しいお友達の荒井剣土君です!みんな
枕 [585] -
不条理 刑事
「本当なんです。私じゃありません、やったのは竹下由利子です」目に涙を溜めて、容疑者綾瀬瑞穂が訴える。「だがね、給湯機に彼女の指紋はなかった。あんたのしかなかったんだよ…急須にもだ」キッと顔を上げた女は泣き濡れていても、まだ美しいといえた。「多分彼女が拭いたんです。そのあと私がお湯を足したから…」「何故?入れてあったんだろう。何故足す必要がある」「半分しか入っていなかったからです!これじゃ足りない
ゆうこ [812] -
不条理 有田雄二
僕は彼女に惹かれていた綾瀬瑞穂。彼女の涙を見た日から僕は彼女が気になっていた彼女はパッと華やかな美人で、愛嬌もあるから人気がある。でも竹下からのメールに怯えていた彼女はか弱くて、守ってあげたい…そんな風に思わせた。幸い、気味の悪いメールを送り続けていたあの女も、ちょっと脅したら反省したらしい。こんな事ならさっさと言っていればよかった。「こういう行為を続けたら、僕らは貴方を訴える事になる。どうか考
ゆうこ [596] -
不条理 綾瀬 瑞穂
この会社に事務員として入って、半年…右も左も解らなかったけれど、少しずつ慣れてきた。だけど悩みが一つある…竹下由利子だ。彼女はいわゆる「いき遅れ」。40は軽く越えている。若作りをしているけど濃い化粧は余計に皺に入り込み、彼女を老けさせているみたい。仕事はキチンとこなすけど機転は効かず、妙に重たい雰囲気だから社員からも煙たがられている。初めての挨拶の時、異様な眼で睨まれていたのが気のせいじゃないと
ゆうこ [539] -
不条理 竹下 由利子
私には殺したい女がいる…綾瀬瑞穂。名前からして作り物めいた、嫌な女。歪みのない、人形のように整った顔。人は彼女を「美しい」と形容するけれど、私から言わせれば中身のない空っぽな…、そう、見栄えの良い蝶みたいな女だ。柔らかく艶やかな羽。けれど、半面、人を選び、見下し、ヒラヒラと気取っている。あの女さえいなければ。私には愛した…いや、愛したと思っていた男がいた。三年の社内恋愛の末、結婚を約束していた。
ゆうこ [557] -
不条理 序章
読売新聞一面にて三澤物流の下請け会社の社員、20名が毒殺か!?昨日の午後2時前後。三澤物流の下請け会社、三澤Seaルート の社員20名が薬物摂取により死亡、さらに3名が重体であることがわかった。薬物の詳細はまだ明らかにされてはいない。警察はひとり薬物による体調不良を訴えていない社員を詳しい状況を知っている可能性がある為、任意同行を求めたと発表した。
ゆうこ [552] -
爪
モニターには1人の男が映っている。どうやら、気絶でもしているのかピクリとも動こうといたしません。モニターの映像から察しますと、そこはどうやら一つの奇妙キテレツな部屋のようです。説明致しますると、壁は全てが鏡で出来ているようで、部屋の一部始終を反射させているのがモニターからも取って解ります。それがまた事細かい事、私の主観から言わしていただきますと、この部屋を作った者はあまりいい趣味の持ち主ではな
私 [520] -
アノ鍵(3)
社長から「皆さん、御承知の通り…総務課の立山くんが何者かによって殺害されました…今後、警察やマスコミが押し寄せて…会社も当分の間…営業を自粛いたします…」僕は自宅待機を命ぜられた…。マスコミからの電話や聞き込みなどすべて無視するようにと…。困ったな…外に出れないし仕方ない寝るか…。その日からまた変な夢を見た…。今度は僕が後輩の尾崎を車でひき殺す夢を見た…認めたくないが…当たってしまった…。これで
キユデヒ [783] -
アノ鍵(2)
あの日から七日間続いた。嫌がらせか…?A棟からD棟全世帯に鍵の事を知らないかパソコンでチラシを作り配布してみたが一件も返答なし…七日間続いた鍵もピタッと投函されたくなりチラシも意味があったかと安堵した…。この住人のイタズラだったに違いない…部屋には七つの鍵が横たわる…。しかし、翌週の日曜日、また、ポストに封筒が…中には鍵?ではなく手紙が入っていた。「七つの鍵を消す方法はアナタの中にあります。」僕
キユデヒ [833]