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ノンジャンルに含まれる記事が5567件見つかりました。
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happy 9
ノートに手をかざし、黒板の内容をノートに浮かび上がらせている子。片山いわく“念写”というものらしい。当てられても席を立たずチョークを手を使わず自在に操り回答を黒板に書く子。“浮遊”という能力らしい。普通の光景ではなかった。テレビや漫画の世界の出来事が実際に起きていた。「ここがHAPIです。実際の社会で疎外されそうな思春期の少年少女に普通に教育を与える場所なのです。」片山は得意気に言った。「なるほど
ホリキコ [343] -
ラッキーバンク『ご利用規約』
「たくっ!なんだよ!全部すっちまったじゃねぇかよ!」無精髭を生やしたいかにも不潔そうな男がゴミ箱に蹴りを入れる。ヨレヨレになった灰色のコートに身を包み、腰を丸め競馬場から独り寂しく出てきた。「俺には全く幸運なんてねぇじゃねぇか・・・なんだよ・・・」ヨレヨレコートの男は、クリスマスを3日後に控え、ネオンがキラキラ輝く街の中をトボトボ歩く。寂しげな男の足元に、元気な小学生くらいの子供が勢いよくぶつかっ
五十嵐 時 [469] -
happy 8
山梨県の隅、人っけのないところにそれは位置していた。政府機密施設HAPI。地獄のような三日間を乗りこえ、ようやくここに来れた北元と宮沢は感無量であった。施設の入り口では入念に持ち物検査され、携帯電話はもちろん、ネクタイ、スーツ、ベルトまで没収され、シャツにベルトのないズボンというおかしな格好にされた。施設では片山という男性が施設内の案内を担当することになった。まず案内されたのは“一般寮”。ここでは
ホリキコ [349] -
シャドーオプス28
彼がたいへんな任務に就いているとき、私は再び日本の地を踏んでいた。 震災から数ヶ月経っても、なかなか状況は好転していなかった。 仮設住宅の完成は予定よりはるかに遅れ、政府民主党の駄目さ加減を露呈する結果となっていた。 私は憤りを禁じ得なかった。 これほど日数が経っても、未だ満足に物資が届かない現実があった。 道路が通れないから… なら何故ヘリコプターから物資を空中投下しないのか? 法律で許されてい
ハバネロペッパー [345] -
happy 7
そう…父さんは俺が殺したんだ……「へぇ〜〜〜そりゃ幸せそうな家庭だなぁ〜〜」重は相変わらずニコニコしてヤマトを見つめる。ヤマトは下手くそな作り笑いをした。そしたらノック音の後に白衣を着た男性が病室に入ってきた。「萱島さん、もう一度その子診察しますので。」「あぁ!先生!お願いしますよ〜名前は一樹君言うそうだよぉ」重は座っていたパイプ椅子を譲った。「ありがと。じゃあ一樹君ちょっと頭触らしてもらうね……
ホリキコ [345] -
happy 6
「ところで…おじさんの名前は…?」ヤマトと男性は一時間ほとなんでもない話をしていた。「あれぇ〜〜まだ言ってなかったか〜〜?おっちゃんの名前は萱島 重(カヤシマ シゲル)っちゅ〜だ。」「重おじさんか〜…あの…家族はいるんか?」ヤマトはすこしばかりうつむいた。「あぁもちろんさぁ。妻と息子とその嫁との四人で暮らしてるよぉ。息子と嫁はこんなじじいになったおっちゃん達を優しく一緒に住もう言ってくれてな〜も
ホリキコ [342] -
シャドーオプス27
「あの時すぐにわかりました。私の同志を射殺したあの射撃は、海兵隊やレンジャーでは出来ない。私達は幾度となくアメリカ軍と戦っています。あんな射撃を見たことはない。急所を完全に撃っていた。それに、あなたが私を取り押さえる素早さ。全く違います。あの時…私はあなたの目を見ました。黒い瞳だった。アメリカ人では無いと感じました。取り押さえ方も違った。どことなく優しさがありました。日本人だと…確信しました」 だ
ハバネロペッパー [406] -
happy 5
気がついた時、灰原は病院のベッドで寝ていた。まだ額のあたりが痛む。跳ねられた後の記憶はない。気を失ったのか。灰原は周りを見渡した。ベッドの横にはパイプ椅子が置かれ、さきまで誰かここにいたようだ。飲みさしの缶コーヒーがそばの机に置いてあった。「ここは…病院?ってとこか…?まさか施設に連れ戻されたのか…?」そこにふと白髪混じりの男性が現れた。「おっ!目が覚めたか!ごめんな〜まさかあんなとこから飛び出し
ホリキコ [364] -
子供水先案内人15
何もなさそうなだだっ広い草原。男はそこに似つかわしくない格好で、歩いていた。ふう「やれやれ。とんだ遠回りでした。」この同じセリフを何度繰り返しただろう、もう自分でも聞き飽きた、と思う頃。ようやく目的のものが遠くに見えてきた。やれやれ「人間の足は、やはり不便ですね。」遥か向こうで、なにやら影らしきものがゆらめいて、男はそれに答えるように大きく手を振った。まぁ、「よくきましたねぇ。ごめんなさい、いつも
Joe [327] -
シャドーオプス26
マスターは咳き込み身体を震わせながらアメリカへの恨みを吐き続けた。 僕は黙って聞いていた。 マスターの言い分には正直共感する部分が多々ある。 何故アメリカが世界の基準なんだ? 何故自分達だけが正義なんだ? アメリカは強大な武力で我々を虫けらのように殺戮しているではないか! イスラエルも同じだ! まくしたてるように怒りをぶちまけたマスターは、荒い息を鎮めるように黙り込んだ。「アメリカが変われという事
ハバネロペッパー [384]