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その他に含まれる記事が2136件見つかりました。

 
  • 劇団ドリームシアター(10)

    「この間さあ〜…」 義則が切り出した。 「なんだよ急に。なんかあったのか?」 哲次と剛行が、別の話をしていて、黙って聞いていた義則が、話しかけた。 「あっ、悪い。じゃあ、あとでいいや」 「いや、別にいいよ。俺らの話は、特別重要じゃないし」 「でも、俺だって、そんな急いだ話じゃないから…」 「まあ、話してみてよ」 「そうか…じゃあ話すよ。2、3日前にさ、仕事帰りに路上ライブをやっている女性を見てね…
    YOSI [432]
  • 代償

    「俺は今までお前に迷惑ばかりかけてきた。だから、今日からは、お前の言う通りにするよ」俺は申し訳ない気持ちでいっぱいで、思わず頭を下げた。「わかったわ。じゃあ」そう言うと彼女は、何やらパンフレットを取りだした。「この生命保険に入って。話はそれからよ」
    涼太 [760]
  • 劇団ドリームシアター(9)

    「由美、美和のこと覚えてる?」 由美と夕食を供にしている最中、えり子が由美に聞いた。 「うん、覚えてるよ〜。大学時代のサークル仲間だし、えり子ともよく遊んでたしね。美和がどうかしたの?」 「しばらく、連絡途絶えてたんだけどさ…、この間偶然見かけたんだよね」 「本当に?どこで?何か言ってた?」 「あのね…」 えり子は、少し言いにくそうな表情をしていた。 「どうしたの?何か話したんでしょ?」 「ううん
    YOSI [448]
  • 願いの叶う公園

    会社をクビになった彼は途方に暮れ、とある公園に来た。近くにあったベンチに、まるで崩れ落ちるように腰かける。「これから、どうすりゃいいんだ……」彼は頭を抱えて、深く溜め息をついた。「どうかしましたか?」突然声をかけられて驚きつつも、顔をあげた。そこにはボロボロの服を着て、砂まみれの汚れた顔をした、いかにもホームレスといった風貌の中年の男が立っていた。うっとうしい。俺の気も知らないくせに。「隣、よろし
    涼太 [681]
  • 誰も向き合わない空

    空 それは誰も向き合わない。というのも、私は人間が空から避けているように思う。晴れの日の空はどうだろう、雨の日の空はどうだろう、曇りの日の空はどうだろうと考える人は稀だ。晴れでうれしい、雨で最悪、人間は天候に左右され一喜一憂している。それは、人間の悪い癖だ。私はもっと空と向き合うべきだと思う。空は永遠に広がっている。今、この時世界中の人が同じ空の下必死に生き延びている。そのことを思うと何と素晴ら
    坊主 [449]
  • 嫌われ者

    その男は、全く役に立たないと、皆から嫌われていた。そんなある日、その男が出勤途中で交通事故に遭い、病院に搬送された。しかし、重症だった上に救急車の到着が遅れた為、男は脳死状態に陥ってしまった。けれど両親も死に、兄弟も妻も子供もおらず、同僚からも嫌われていた彼には、病院に来てくれる者はいなかった。医師たちは彼の所持品からドナーカードを発見した。ドナーカードには、臓器提供の意思があることが示されてあっ
    涼太 [735]
  • 未来携帯

    「この携帯電話は、未来と通話することのできる、画期的なものです」幕張で開かれた東京技術博覧会。そのある一角で、ケータイを掲げながらそう喋る男が、一段高くなった小さなステージの上に立っていた。「ケータイの中に新たな媒体となる……」男は説明しながらポインターで背後のスクリーンを指した。スクリーンには、そのケータイのメカニズムが図入りで映っている。男は説明が一段落すると、聴衆を見渡した。「そこの方。ちょ
    涼太 [712]
  • 佐々木家の会話

    「あー やばい 勉強しなきゃなぁーー 」ふとガキ使を見ながら呟いてしまう。明日、テストだというのに、居間のこたつに入ってダラダラやってる自分がいた。 机上に広げられた教科書やノートは、やり終えた感を出しているが、それは家族に「勉強しろ」と言われないためだけの状況。トントンと階段から誰かが下ってくる音。妹か姉か…。どっちでもいい。ガラリと戸が開かれ、現れたのは妹のほうだった。妹「なにしてんの?」俺「
    佐々木くんだよ [440]
  • 人生最大の落とし物

    俺はおっちょこちょいで、よく落とし物をしてしまう質だ。昨日は財布、一昨日は携帯、その前は家の鍵、その前は……なんだっけ?まあ、とにかくそれほど落とし物をしやすいということだ。ある出勤前の朝、俺はいつものようにテレビでニュースを見ながら支度をしていた。『そして、今日の12位は……牡羊座のあなた。今日はまるでついていない一日となってしまうでしょう。落とし物には気を付けてください』占いのコーナーになり、
    涼太 [752]
  • 劇団ドリームシアター(8)

    「ただいま…もう寝てるよな」 「ううん…起きてるよ」 いつものごとく、深夜2時に帰宅した考太は、敏美がもう寝ているだろうと思っていただけに、驚いた 「大丈夫か?明日も仕事だろ?」 「ううん。珍しく土曜日なんだけど休みなの。たまには待ってようかな〜と思ってさ」 「悪いなあ〜。ありがとう。俺も明日、給料日前ってことで休みもらったよ」 「本当に?」 「久しぶりに、どっか行くか?」 「そうだね…でも考太さ
    YOSI [450]
 
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