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君からの手紙〜62〜
金曜日の夜、仕事を終え、嶋野と紀子は、札幌の空港にいた。 勇一からの連絡があり、ギリギリ最終便が手配出来たからだ。 「森田さん、悪いね。かなり、強行日程だから、俺1人でも良かったのに」 「いいんですよ。私こそ、無理やりついて行く形になってしまって、すみません」 「そんなことないよ。やっと…やっと全てのことが、解決しそうなんだ。俺は…俺はそれを、見届けようと思う。それが、どんな結末になったとして
YOSI [406] -
(仮)消えた男…陰の薄い恋…36-2
伊井 香 は思わず立ち上がった!周りを見渡し…病院の案内板を見た。そこには「大賀根総合病院」と書かれてあった。そして伊井 香 はキレイな女性を再び見た!香「えっ!?…えっ〜アナタ、女神?大賀根 望代…さん!?」望代「やっと分かってくれたのね。嬉しいわ。ウフフッ。私は、ここの病院の理事長よ。」香「えっ!アナタが?望代さんが、ここの病院の理事長!?」望代「そんなに驚かなくても。ここでは何だから私の部
月の狼 [366] -
(仮)消えた男…陰の薄い恋…36
5.平穏な時間ストレチャーに乗せられた安野 丈 は看護師長の岡と救急隊によって検査と手当ての為、院内の奥へと消えて行った。伊井 香 はロビーの横に有る待合室で待つように言われ待合室を探して病院の中を10分ぐらい歩いて、やっと見付けた。病院は大きく旧館、新館、別館と分かれていて通常の診察用などの出入口と救急用の出入口と入院患者のお見舞い用の出入口が有るため病院内で伊井 香 は迷子になっていたのだ。
月の狼 [358] -
チンゲンサイ。?
俺がチンゲン菜を食えなくなった事には訳がある。あれは忘れもしない入社1年目の、忘年会の席での事。昔から、上司に媚びへつらう事が苦手だった俺にとって、こんな酷な行事は無かった。初めての忘年会という緊張もあってか、何とも辛いひとときだった。さすがに、俺の真横に座る上司の事は無視出来ず、俺はそいつに御酌をした。その時、そいつは言ったのだ。目の前のチンゲン菜の御浸しを見て。『お前は、チンゲン菜みたいな奴
麻呂 [522] -
君からの手紙〜61〜
「俺は、15年前、体を壊して休職してたことがあってな…実家が北海道にあるんだが、地元の病院で、ある兄妹に出会ったんだ。妹さんは、かわいそうなことに余命わずかなことを、聞かされたんだ」 「そうだったんですか」 「そして、そこで、ある曲のことを聞かされたんだ。 そして2年前、この近くの病院で、ある青年2人に出会ったんだ…聴いたんだよ。曲を…車イスの青年の前で歌うもう1人の青年の曲を。 同じ曲だった
YOSI [363] -
チンゲンサイ。?
その日の夕食は、俺の嫌いな、チンゲン菜の炒め物だった。『おい。ユキエ。俺がチンゲン菜が食えない事、知ってるだろ?!』妻は、少し苛立っていた俺の顔を、じろりと睨みつけた。『あら?!そうだったかしら?!嫌だったら食べないでください。後で片付けますから。』少し膨れっ面の妻の顔を、今度は俺が睨みつける。『まぁいい。今は、そんな事よりも、父さんからリョウとユウに話さなければならない事があるんだ。』テーブル
麻呂 [462] -
あなたへ
久しぶりです 以前の不倫問題は解決しました 感想くれた方 有り難うございます それでは 今見てるあなたへ 俺は 右目が見えません 右耳が聞こえません 左足が不自由です 数日前から右の頭皮や指も違和感があります それでも 自分より動きにくい人は沢山居ます 五体満足な人 全身を使って人を救って下さいませんか 話しを聞くだけでも時間は過ぎて行きますが それで救われる人が沢山居ます 世界中にきっかけを与
地デジ [426] -
チンゲンサイ。?
『君に何の相談も無しに、勝手に仕事を辞めた事については、悪いと思っているよ。俺も色々考えて、辞表を提出するタイミングをうかがっていたんだ。もしかしたら、君と夫婦でいられなくなるかも知れない。そんな、最悪の事態まで考えたよ。だが、そんな心配はいらなかったようだ。これでハッキリ分かったよ、君の気持ちが!!』恐らく、結婚してから初めてだった。妻と、こんな風に正面から向き合った事が。
麻呂 [510] -
チンゲンサイ。?
『あなた、どうするつもりよ?!リョウとユウ。2人共、今年は受験生なのよ?!そもそもあなた、私に何も相談してくれなかったじゃない。1人で決断して、事後報告じゃ、納得出来ないわよ!!』今回ばかりは、さすがの妻も、感情的に俺を責める。次長と課長は、結局俺を説得出来ずに帰って行った。アイツらも、これで肩の荷が下りただろう。これで“引き留めた”と言う事実が成立した訳だ。パートのババァ共が、アイツら会社側に
麻呂 [512] -
チンゲンサイ。?
妻は、いわゆる潔癖症である。性格もおとなしく、平和主義だ。俺の様な気弱なタイプの人間には、普通、キツい女房がつく傾向があるが、我が家に、その一般論は全く当てはまらなかった。早い話が似た者同士なのである。お互いに性格が似ている為、相手の行動パターンや考え方など、分かり過ぎる位分かってしまうのだ。他人から見れば仲が良く、夫婦円満に見えるのだろうが、実はそうではない。俺達は、常にお互いにけん制し合い、
麻呂 [479]