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SFに含まれる記事が1822件見つかりました。
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ABJUSTMENT OF PAST
「はぁはぁ」今ここはどこなのだろう。ただ逃げ続けて自分がどこにいるのかわからない。「カツカツカツ」後ろから近づいてくる自分が焦って逃げているのが馬鹿らしい位相手は冷静だ。ガツン!「ヤバイ!足が」何か固いものが足に直撃したらしい。血が出ている。「カツカツカッ」足音が止まった。「わかった!俺が悪かった。落ち着け!やめろ。許してくれ。」俺は頭を地面につけて懇願した。 「顔…上げてよ。みっともない。」
ムーヴ [759] -
「眼」
午前4時00分00秒俺は視線を感じて目を覚ます。いつもどうり。部屋の窓には大きな「眼」が68個。昨日は67個。一昨日は66個。その前は65個。その前は64個。…きりがないから止めるか。どうせ明日は69個だろうし、明後日は70個だろう。この「眼」の数は何を表すかって?それはな……
K [789] -
危険な薬
博士の外出中、博士の唯一の助手であるその男は、何をするでもなく、研究室で朝からずっと留守番をしていた。しかし男は、あまりにも退屈なので、博士の発明品を眺めたり少しいじったりして暇をつぶしていた。助手とは言っても、普段は掃除などの雑用ばかりで、博士の発明にはほとんど携わっていないのだ。「これは一体何の薬だろうか」男はそう言って、机の上に置いてある、薬のたくさん入ったビンを持ち上げた。そしてそのすぐ
hiro [1,965] -
航宙機動部隊第四章・49
《今更思い残す事もないが、敢えて言えば次なる決戦を見届けて起きたかった気もするな》テロンの脳髄は淡々とした口調でそう述べた。《だが別段惜しむつもりもない―結果はもう見えているでな》すると、《彼》の入っている容器の下から、プロペラ状の刃物がゆっくりとせり上がって来た。《さらばだエタン》これが、三代皇帝の残した最後の言葉だった。定められた日時通りに勢い良く回り出したプロペラは、かつてはこの帝国の最高
まっかつ改 [1,418] -
航宙機動部隊第四章・48
『上皇』回りのそれと比べれば一際大きめの容器に顔を向けながら、エタンは呟く様に呼び掛けた。容器の中の脳髄は、当然ながら動きも震えもしない。だが、《何を迷う事がある》脳波を介した思考解析機を通じ、この常夜の区画の至る所にあるであろう言語音声化装置の一つを伝って上皇と呼ばれた脳髄は語りかけて来た。第三代皇帝テロン。その即位以来雑多な宙賊連合に過ぎなかった統合宇宙軍を曲がりなりにも集権的な機構にまで育
まっかつ改 [1,005] -
航宙機動部隊第四章・47
翌第一期一七日・シルミウム星系―\r同星系外縁では統合宇宙軍本隊が集結と出撃準備を完了していた。合衆国連合艦隊進発の報は、既に帝国側にも伝わっていた。だが本来軍事機密である筈の星間機動部隊の様子がこうもあっさりと把握出来る分けがない。結果から言えば呆れた事に、敵陣営はこの報をマスコミにリークしていた。もっとはっきり言えば、自ら宣伝に努めすらしていたのだ。それだけ連合艦隊は政治的には追い詰められて
まっかつ改 [1,092] -
航宙機動部隊第四章・46
そして同年第一期一六日(修正太陽暦一月一六日)・パレオス星系外縁―\rそこには合衆国連合艦隊主力集団が勢揃いしていた。その内訳は純戦闘艦艇一五七00隻・要員二二0八九00名。旗艦は戦艦《サルタン=バヤズィット?》・指揮に当たるのは戦事総司令官ロバート=ハートフォード大将と正式に定められた。既に同軍先鋒隊・バクーシン集団が決戦予定宙域たるアリ=アリアンスを押さえており、その戦力一五00隻と合流すれ
まっかつ改 [1,038] -
航宙機動部隊第四章・45
『時に思いだしましたが』リク=ウル=カルンダハラには少なからぬ事情があった。『自分は新編パレオス防衛軍の幕僚となっておりまして、残念ながらこれ以上フーバー=エンジェルミ追求に専念出来ません』恐らくはアリ=アリアンス宙沖が主戦場になるであろう敵味方の主力部隊の衝突に備えて、結成間もない防衛軍司令部に彼は参加しなければならない身であった。一時は黙殺しようかとすら考えもした少年ではあったが、鋭敏な宙際
まっかつ改 [948] -
航宙機動部隊第四章・44
『まさか』晶子は即座に否定した。『あなた達の国に用があるなら直接そちらに向かっているわよ』確かにリク等の祖国・共和国宙邦《グルン》も、大戦期に逆行した様な星民皆兵制を敷くわ、独自のスターレールや機動部隊は持つわ、挙げ句の果てには国家分割に応ぜずに公社軍と戦うわ、かなりやりたい放題な訳だが、彼女に託された使命の今回はどうやら埒外にあるみたいだった。『そんな事より―リク総領事、よくあなたは助かったわ
まっかつ改 [954] -
航宙機動部隊第四章・43
それから三0分後、安史那晶子等三人はリク達の住む第邸に到着し―晶子はすぐさまそこが気に入った様子だった。特に一面に敷き詰めたられた玉砂利に、色々な味わいのある石をランダムに置いた庭園に至っては、彼女は垂涎の眼差しを向けるのに憚らなかった物だ。『へえ、中々良いセンスしてるじゃない』誰に案内されるでも無く、宗教界特務は邸内を隈無く散策してはあれやこれや興味の赴くままひとしきり見て回る。リクの起居する
まっかつ改 [911]