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SFに含まれる記事が1822件見つかりました。
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神々の前線17
「しかし、そうして核ミサイル搭載の衛星が落下して、北JU本土が壊滅すれば、これが敵の攻撃だとして、戦争の火ブタが切れるというのだから、いや、なんともワクワクするような奴らじゃ。諸君らには残念だが、この戦いはワシの種族の勝ちじゃ。 最終的に唯一残り、これだけの業を負ったJU人とエイド人どもを、阿鼻叫喚の地獄に突き落とし、 どのように料理してやるか、もう考えただけで、ヨダレがでるわ! JUとエイド
宇宙P [979] -
神々の前線16
「その後、ヤソの教えを利用し、ホーリーブック(聖本)なるものが、あらゆる者の手で著され、それぞれの時代に、然るべく利用されて今に至っているが・・・。 中でも最終審判などとうたい、世界を混沌に陥れ、人類統治の仕上げなどと・・・文字通り神をも恐れぬ仕業、おそれいるわい」 イリス神はうめいた。 他の神が尋ねた。 「エイドの最終審判とやらをやらせるのか?」 イリス神は答えた。 「結
宇宙P [787] -
神々の前線15
「その先か・・」イリス神は重々しく口を開く。 「君達は、あの人類というやつらを、宇宙に出させられると思うか?」他の神々は口を開かなかった。 イリス神は続ける。「かつて、人類の中に、私の言葉を預ったヤソという者が、私に具申したのだ。神の奇跡を人類に示し、人類を次なる次元へ導いてほしい、と。すなわち、我々と同じ宇宙の、人類でいう神の一員として列席に加わりたいというのだ。私は答えた。その段階に人類は達
宇宙P [764] -
神々の前線14
争うそれぞれの神々は、一同に会し、地球の戦況を、確認しあう中間審議に入った。 開口一番、アリビア神はイリス神にうめいた。 「君のとった人類の欲望に着目した作戦は、大成功だな。厳格な戒律すら、欲望の前には無力だよ。」するとアーリ神も付け加えた「君の忠実なるしもべのエイド人の知略は人智を超えた。よくも人類をあそこまで統制できたもんだ。」ヤマト神はため息をついてイリス神につぶやく。 「いや、残念だが
宇宙P [943] -
神々の前線13
またエイド人は、戦争遂行の対立軸を作るためと、人の統治形態の実験として、政治思想、すなわちイデオロギーを各国に設定した。 大きな対立軸として個々人の「自由なお金集め」を保障した「自由主義」と、国家がお金を管理統制し、人々に分配する「共生主義」を作り、世界を二分させ対立させたのである。また、各国内においては、右派左派双方を支援し、統治に有利な情勢をつくるためのさじ加減を行った。 勢力を
宇宙P [787] -
神々の前線12
かつてヤマトのような、精神の文化は、世界各地に存在した。 なかでも古代の早い時期からから優れた文化を有した中花国の君子の教えは、宇宙至高の教えとされ、その叡智を称えられた。 しかし、この国において長年、続けられた民族同士の蹂躙は、他者を信ぜず、常に謀略と、自己保存の本能に特化した文化を形成した。 世界の文化を、ある流れに持っていったのは、通貨の出現であった。 人は、高い交換価値を持つ「お金」を、
宇宙P [594] -
神々の前線11
だがヤマト神は、臣民への深い慈愛とともに、峻厳なる厳しさも持ち合わせていた。 ヤマト民族が誤った道を行くとき、過酷なまでの気付きのための試練を与えた。 臣民自らが誤りに気付くよう、気付いて本来の道を選択するよう、敢えて苦難を与えるのである。 だが、ヤマト民族は、いつも苦難を乗り越え、そこから行くべき道を見出した。そこから育まれた民族性は宇宙の理(ことわり)に、もっとも近い成熟した文化を有していた。
宇宙P [585] -
神々の前線10
世界の王家は、暴力や圧政で国民を支配し、便宜的に立てられた王により、統治された形態の歴史をたどり、王と国民は常に対立の関係にあった。そのような中でヤマト皇国は世界で唯一、君主と国民が親和で結ばれた理想の国家であった。 ヤマト民族を造った神は、神を偶像化して崇めさせるようにはしなかった。そして天皇を神の祭祀として、神と国民を繋ぎ、国家と国民の安寧を確保する役割を天皇に与え、代々皇統を継ぐものに、ある
宇宙P [602] -
神々の前線9
戦場の本質とは、大義だとかとは無縁の、破壊殺傷の応酬にすぎなかった。 最初は正義のためとか、民族のため、あるいは邪な目的のためであっても、理由があって兵士は、戦場に入るのかもしれない。理由に基づいて敵を殺害する兵士は、戦場下においては、正常とさえいえる。しかし、やがて戦場の狂気にとりつかれた兵士は、理由なく殺戮すること自体が目的となり、あまつさえ、武装勢力や特殊任務群といった日常的な破壊殺傷
宇宙P [556] -
神々の前線8
資源争奪だとか、文明の衝突だとか、兵器市場の創出だとか、まして自由のためだとか、そんな事柄は人類にとってだけの都合であり、この狂気の応酬合戦を人類に演じてもらうための契機にすぎなかった。 前線の兵士には、もはや戦う理由付けなど必要はなかった。 どうして戦うのか、そんなことはどうでもいい。いかに凄惨に殺し合い、憎しみ合い、恐ろしいことをしてくれるか、それだけがこの戦争のテーマであったからである。核
宇宙P [547]