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SFに含まれる記事が1822件見つかりました。
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星の蒼さは 25
(馬鹿め。正面から突っ込んでくるとは)部下の少尉が嘲るように言った。そう。馬鹿。だが、「嫌いではないぞ」クロイツは月軍の主力WW「D-Cα」通称「黒猫(ダークキャット)指揮官専用機」を唸らせ、躊躇いもなく放たれた矢のように飛んでくる零目がけてライフルを2発撃ちこんだ。だが、零はくるりと旋回し、硬質鉄鋼弾を回避する。「!」面白い奴だ。避けるか。「少尉。残りの手勢を率いて後ろの連中を殺れ。私はこい
金太郎 [493] -
航宙機動部隊前史・39
銀河元号一三一一年・宇宙史上最悪の大恐慌が起きたのは特筆に価する。属に《超大恐慌》と称されるそれは、元々はそれまで二0年以上続いていたマネー投資ブームの頓挫と言う形で現れた。その最大の原因は、《開発予定予備信用投債》と言う実に長たらしい名称だが実体はあやふやな金融商品市場の爆発的拡大にあった。端的に言えば、それは無尽蔵と言って良い未開拓の銀河の恒星系や資源を半ば無理矢理財産評価して投機の対象とし
まっかつ [469] -
スイッチ
目が覚めると、白銀に輝く、4角形の部屋にいた。広さは5畳強はあり、明るかった。男は、何故自分がここにいるのだろうと不思議に思いながらも立ち上がった。出口を探したが、そのようなものは一つもない。あるものは、上下左右前後にある、6つのスイッチ。男は何かしら恐怖を感じた。自分は何かを試されているのか?それとも、何かの実験とか……。男は座り、考え始めたが、この部屋に来る前の記憶がない。自分の服装も見たが
七味 [571] -
星の蒼さは 24
「月軍……」上空高く、そこでは数十機ものWWがハル達に敵意を向けていた。(お、応戦する!)狩野が檄を飛ばしたが、ハルの耳には入らなかった。黒いのボディが反射する太陽はハルがそっとしておいた心のカサブタをジリジリと焦がし、剥がした。同時に、凝固させて直視しなかった記憶がどくどくと音を立てて流れだす。薄れる意識の中で聞いた沢山の人の呻き声と唸り声。暗闇に点々と垂れ込む夜空に浮かんだ紅い月。暗黒の中で
金太郎 [499] -
星の蒼さは 23
「いッ!?」目の前をミサイルが横切る。(し、死にかけた!!)もう3回程死に損ねている。大した戦闘でもないのにこの体たらく。先が思いやられる……。アント級は既に満身創痍と言える。あちこちにダメージを受け、エンジンには致命傷となりうる深刻な傷を負っている。撃沈は時間の問題。本当にただ骨が無い奴なのでは?と思っているのは自分だけではあるまい。しかし、相変わらずアント級は北上を続ける。何かに…(取り憑か
金太郎 [540] -
同窓会hell。?
オコツさんはまだ寝てる。そんなに疲れてたのか?まぁ良いか、さっさと事件を調べて警察に届けて、逮捕して貰おう。自分の力で捕まえるなんて馬鹿な事考えたら消されるのがオチだ。「雪だね。」あ…起きてる。…じゃないっ!「洗濯物!」寒い。部屋着のまま外に出てしまった。とりあえず急いで取り込む。服を中にほうり込む。中に入ると首筋が凍るように冷たい、息がつまる、宙にういてる。どうやらチェックメイトのようだ。あの
あちぇ [475] -
星の蒼さは 22
(3号機!右舷へ!4号機は砲台を潰せ!対空砲火が目障りだ!)目まぐるしく変化する戦場の主導権は既にあおかぜの物になっていた。巨大なアント級補給艦はゆっくりと北上している。(やる気はあんのかい?あの野郎は!)5号機、西沢の疑問はこの場全員の意見を代表していた。対空砲火こそあれ、反撃は皆無に等しい。補給艦なのだから、それ程の重装備はしていなくて当たり前だが、護衛艦はおろか戦闘機も引き連れずに敵地のど
金太郎 [518] -
現代戦国時代〜山本勘助編〜
「馬鹿だなぁ、油断するなんて」くすくすと前橋が嘲笑いながら起き上がった。 その手には小刀の入っていた小さな木の鞘が握られていた。 「き、さま」悪態をつこうと口を開こうとするが、痛みに声が続かない。 このままでは、ゆかり共々やられてしまう。自分はまだいい。殺されても、まだ仕方がないと思える。ただ、ゆかりが、仲間が殺されてしまうのだけはなにがなんでも嫌だった。 (だったら――)平田はむったりと笑み続
睦月 [487] -
星の蒼さは 21
(前方20?、地球…日本軍機動艦隊1。既知の艦…のようです)(カリプソの進路…バレていたようですね)「トーキョーの亡霊(ゴースト)め、瓦礫の中から蘇ったか。日本軍…精強との噂は本当だったな」(しかし、わかりません。何故補給艦一隻を守るのにこれだけの部隊を…本部は何を考えているのでしょう。今、大規模な部隊の移動を悟られたらナリタの日本軍に隙を見せてしまうことに……)「desperate…」(え?)
金太郎 [539] -
航宙機動部隊前史・38
それでも宙際連合は滅びなかった。それぞれの宙邦の思惑と利害とが、既に死に体の《人類宇宙唯一の政体》の存続へと働いたからだ。言わば形だけの《朝廷》だった。確かに宙邦群同士の際限無き競争が破局に至らない様に仲裁・調停する存在は必要であった。その点、力を失った宙際連合は実に便利な道具ではあった。更に、中央域文明圏と言う巨大なお荷物をどの宙邦も引き受けたがらなかった。経済・人口規模ではそれは銀河最大の物
まっかつ [537]