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Jumpin' Five 34

[326]  曽根菜由美  2006-12-09投稿
 チリンチリン…。
 自転車のベル…。振り向いたとたん、通りすぎた黒装束。富山くんだ。彼はくるっとUターンして、私の方まで寄ってきた。
「どうした?顔が疲れてるよ。」
「うん…仕事のあとで来てるからね。」
「大変だね、社会人は。でも、もう年だね、そんなんで、疲れてるようじゃあ。」
一言よけいだ。
「じゃあ、ゆっくりおいで。」
彼はそれだけ言って、またチャリを飛ばして行ってしまった。私は言われた通り、ゆっくりと練習場へと向かった。
 ホールに入ってみると、もう10人ぐらいの人が来ていた。もちろん打楽器も出されていた。富山くんが「遅いよ。」とか言ってくる。富山くんが働いているんだ。私も行かなくちゃ…。
「大丈夫?そんなにきついの?」
「そんなことないよ、ごめん、手伝う。」
富山くんに言われて、私はやっと立ち上がった。そのうち岩田さんも来て、合奏の準備は進んでいった。
 美加は来なかった。コイツ、ときどきサボってないか?
 畑中さんは来た。あのとき5人で合わせたのがきっかけで、彼はクビをつないだのだ。ということは、今日は4人。やっぱり私は来て良かったのだ。今日は〈狂詩曲『ノヴェナ』〉をやるとのことで、尚更良かった。
「あっ、曽根さん、今日だけスネアやってくれる?」
「はい。」
「山内さん、いないもんで。あ、でも最初はチャイム入れてくれる?」
「はい。そのつもりです。」
「曽根さん、無理してない?」
「へ?」
岩田さんに美加の代奏を頼まれたのだが、「はい」と返事をした直後に、岩田さんは妙なことを言った。
「無理…してないつもりですけど…。」
私は、変な反応をしたあと、こう答えた。進一んが前でタクトを持って待っているようだった。

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