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一夏の恋

[353]  相沢綺羅  2006-12-10投稿
何となく生きているこの人生。楽しみなんて何もないんだ。だからあんな出会いがあるなんて思いもしなかった。そうあれは眩しい夏の日だった。
「春哉遅せえぞー!」「ごめんごめん!悪いな雷羅。」俺たちはただ普通の中学生。雷羅とは小学校からの親友だ。「まあいいか♪それよりさっきこれ拾ったんだけど!」「何々!?…ってただのプチセレブアイスクリームのタダ券じゃん。」「結構高いんだからな!感謝しろ。さっそく行こうぜ♪」

「おー!おいしそう!でも俺トイレ!春哉ちょっと待ってて!」タタタ…。「さて待つか。」本当平凡な生活。でも雷羅が拾ったアイスクリーム券が僕とあの子の出会いだった。
「…悪い待たせた?」「ったく雷羅は毎回遅い!…って誰あんた。」「あはは怒らないで!あなた暇そうな顔してたから気になって。私は岩槻優♪よろしく!」「…はぁ。俺相良春哉。」俺は簡単に自分の名前を教えない。けど今なぜか会ったばかりの奴に教えてしまった。なんかこの女に会った事があるような気がしたんだ。懐かしい…そう思った。知り合いじゃないはずなのに…。
「はーいお待たせ!雷羅様が戻ってきた…ってあんた隣りのクラスの…」「岩槻優です!よろしくー!あっ!ねぇ相良君」「ん?」「私相良君に一目ぼれしちゃた♪今後アタックしまくるから覚悟しといてね!じゃあね相良君!」タタタ…

突然現れた一人の女の子が、僕の平凡な生活をだんだん崩してくれるような気がした。俺は一目であの子に何かを感じた。それを素直に言えばよかったのに…。
(続く)

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