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【ナイト・オン・ドラグーン】Story::29†

[516]  ミルクボーイ  2006-12-13投稿
「っ…!やるじゃねーかっ!クソガキ!!」
崩れた体制をギースは立て直そうとするが、アインはその暇さえ与えず

疾走と駆け、二度三度剣を振った。
金属音ではない、確かな手応え。
ギースは肩から腹まで斬り裂かれ、鮮血を床に撒き散らした。
「…ぐっ!」

『おい!ギース!死ぬなよ!?お前が死んだら契約したあたしも死ぬんだ!』ギースの周りをそそっかしく飛び回っていた妖精が口々に怒鳴る。
アインは剣に付いた血糊を振って落とした。
アインの後方でドサっと音がした。
マナが肩膝をついて、荒く息をしていた。無理もなかった。この部屋に来るまでマナは魔法を使い続けたのだから。「マナ!大丈夫か!?」「はぁはぁっ…わたしなら…大丈夫」
マナは苦しそうに微笑んでみせた。
「アイン!!!」
マナはアインに前方を見るよう叫んだ。
しかし、振り返ると同時にギースの拳が顔面を見舞った。
殴り飛ばされ、遥か後方の壁に叩きつけられた。
後頭部を打ち、頭の中で酷く耳鳴りがする。「油断したなぁ!クソガキ!」
アインは揺れる視界を必死でなだめ、起き上がった。
「…くっその傷で動けるなんてタフな奴だ。」
ギースは落ちた大剣を広い上げ、斬りかからんとばかりに飛ばされ突進してきた。
「殺し合いをもっと楽しもうぜ!!クソガキ!」
アインに剣を振り下ろす。
アインはそれを翻し、背に回り込む。
ギースの振り下ろした剣は大理石でできた床に深く突き刺さり、縦一線に割った。
動きの止まっているその背中を容赦なく斬りつける。
が、何事もなかったかのようにギースは振り返り、力任せに剣を抜き、後ろに振った。
アインはそれを避け、
ブン、と虚しく空を斬った。
アインは間一髪いれず、剣を突き出し、ギースの背を貫いた。

口から血を吐き出しながらギースは笑った。
「ククク…ハァッハッハッハ!!」
アインはギースの異常な気配に気付き、後ろへ跳ぶ。
「なにがおかしい!?」
ギースの表情は狂喜に満ちていた。
『ギースがついに壊れた…あたし知らね〜っと』
妖精が軽口を叩く。
ギースは自分に刺さったアインの剣を抜き捨てた。
「コロス…コロス…コロス!!!」

ギースはアインの懐に素早く潜り込み、目にも留まらぬ太刀さばきでアインを斬った。

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