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夢魔 ?

[471]  柚木麻里  2006-12-13投稿
「中川則子、十七歳、県立R高校二−B在籍を『人身事故』で処理します」

「えっ?」

 振り返ってみたが、そこにはスーツを着た中年男性二人と若いOLしかいなかった。
 今の声は、そう、クロサキフエタ、くろさきふえた、Kurosaki Fueta 黒咲笛太のモノだ。
 しかし、辺りを見回してみても彼の姿はない。
「気のせいか」と思い、列車に向かって歩き出した。

 刹那――

 キィイイイイイという耳をつんざくような列車の急ブレーキ音と、人々の声にもならない悲鳴が聞こえた。
 体がゆっくりと地面に吸い寄せられる。 列車がものすごいスピードで近づいてくる。
 運転手の動揺した顔が見えたと思ったら、私の体は鋭利な車輪でこっぱみじんに引き裂かれた。


XXXXXXXXXXXXX


―続く―

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