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恋愛のお品書き(1)

[383]  ナギサ  2006-12-17投稿
露雨(つゆあめ)亜季(あき)は高校1年生。亜季は学校では明るく、可愛いので有名で男女問わず人気があった。女子達の嫉妬心も彼女の笑顔の前では馬鹿らしく終わってしまうのだった。そのせいで付いたあだ名は
『女帝』
本人にはその気は全然無かったが、その気取らない性格が逆にその名を強めていた。
こんな完璧と言えるような亜季には生まれてから小学校卒業までの記憶が無い。気づいたときには中学校の入学式に出席していたのだ。彼女には親がいない。何故いないのか、それは突然の交通事故。父と母。そして1人の兄と買い物に行った帰り、対向車の男が飲酒運転をしていて誤って起こした交通事故。亜季の記憶はそれしか残っていなかった。
では、今亜季はどうしているのか。始めは親戚の家に引き取られる予定だったが、その夫婦があまりにも嫌がっていたので、亜季は施設に行くことになっていた。が、その時ある夫婦、西園寺闘牙(とうが)・香蘭(こうらん)が現われた。
その夫婦の話しに寄れば、亜季の父親が闘牙の部下であり信頼も厚く亜季の為にも引き取りたい。それに2人の間には男の子が2人も生まれてしまったので女の子が欲しかった。
ということだった。
亜季の親戚の夫婦は大賛成していた。あとは亜季の気持ちだけ。亜季はどこに行っても同じだろうと思い西園寺家に養子に行った。普通の一般社会では嬉しがったのは最初だけで、後は冷たくあしらう。といった感じだろうが、この夫婦は違った。亜季をとても可愛がり(ときには厳しく叱り)だがそれは偽りではなく、本当の娘のように可愛がっていた。

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