コーヒー
「ねぇ、ヨッくん。あたいのこと、ホントに好きなの?」「ああ、好きさ……」良夫はタバコに火をつけた。「ちゃんと、あたいの目を見て答えて!」「見てるよ。うっさいなぁ……」美代子は、飲みかけのホットコーヒーを、良夫の顔にぶっかけた。冷めてるとはいえ、実に、82℃。火傷するには十分の温度である。しかも、くわえていたタバコの火も消した。「わちちちちちち」良夫は、床にのたうち回る。喫茶店の客たちは、おしゃべりに夢中で気付かない。「最近のあなた、変よ! 魚が腐ったような目してる。長渕のマネなの?」言い返せない好きだから…
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