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いとしき君へ6

[703]  雪美  2006-12-26投稿
「ルームメイトなんて、真っ赤なウソさ、俺といつきは男同士だけど、恋人同士だったんだ。ずっと一緒にいたいと、思ってた・・・」
それ以上は言葉に出来ないまま、みずきをみると
「ウソでしょ、私といつきは双子なのよ、恋人が出来たって、聞いたことはあったけど、男同士だったなんて・・・」
双子だけに、男女の違いはあっても、みずきはいつきによく似ていた。
よく男女の双子は二卵性と言って似ていないと言うが、いつきとみずきはそっくりなのだった。
みずきはショックでその場にへたり込むように、地面に座ってしまった。
そりゃそうだよな、双子の兄が実はホモセクシャルだなんてありえない話なのだから・・・
そこに気まぐれな通り雨が打ちつけてきた。
ずぶ濡れになる、みずきをようやく支えて、俺のアパートに連れて行き、シャワーを浴びさせ、服を洗って乾かした。
「わかったら、これ飲んで温まってから帰りな、送るから」
とホットミルクを手渡すと、無言のまま、みずきはうなづいた。
帰り道は重い空気が、二人を包んでいた。
駅まで歩くと、ホームに行く直前、何かを思い出したように、みずきは立ち止まり
「実は敦君に本当はお願いがあってきたの、そしたらあの場面でしょ、びっくりして、ホモの事実にまたびっくりしすぎて、でも、敦君しかいないの、聞いてくれる?一生のお願いだから・・・」
まだ外は小雨がぱらついて、再び引き返して、近くの静かな路地の喫茶店に場所を移して、一生のお願いを聴くことにした。

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