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loveblood

[1212]  遠野志貴  2006-12-26投稿
みんな、みんな死んじゃった。家族も友人も恋人も。全ての悲劇はこの町全体に起きていた。俺は紫香楽学院高校の二年生になる英(はなぶさ)結城だ。その日は午前中しか学校がなかったので久しぶりに早く帰れたが、悲劇はここからだった。学校から帰ると、家の中は血にまみれていた。そして無惨にも、体には一滴の血も残さず死んでいる父と母がいた。なんだこれは?と思った。こんなの夢に決まってる!そう決めつけ自分の中に入り込んでしまう自分がいた。だが、これは現実だった。何事にも代え難い両親の死。俺は泣いた。その日は泣くことしか出来なかった。そして次の日、俺は我が目を疑わざるを得なかった。街に人がいない。というか、車が一台も走っていないというのが信じられなかった。一体どうしたというのだ!家に帰れば両親は死に、そして町にはこつ然と人の姿がない。これはなんなんだ。街はどうなっているんだ、と思い、とにかくそこら中歩き回った。だが、人はいない。いや、いないのではない死んでいるのだ。そして奇怪にもみな、血がきれいに抜かれている。俺はあるゲームを思い出した。それは突然町に吸血鬼が現れて、夜になると見るも無惨な変死体がある。そしてそれを殺すために現れる吸血鬼だ。というか吸血鬼が実際にいた時点でビックリなのだがとにかく。ただこのまま歩き回ってもしょうがないので、俺は友人の家に行った、もちろん期待はないが。だがその友人・刈絵詩恵瑠(かれえしえる)は生きていた。彼女は俺と同じ部活の一年先輩だ。なぜか、先輩は一人暮らしだったから、いつも気軽に足を運んでいた。俺は先輩にいままでの全てを話した。家族のこと、他の友人のこと。先輩は一つ一つゆっくり聞いてくれた。2人はこれからどうしようかと考えるが、当然答えは出るはずがない。ましてや警察その他も全て死んでいるのだから、事件の起きた次の日には友人は全て死んでいた。この町に生きているのは詩恵瑠先輩と俺だけ。「とにかく今日はうちに泊まって?ね?」そういう詩恵瑠先輩の言葉にその日は甘えることにした。明日さらなる地獄になるとも知らずに…

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