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MURASAME

[825]  あいじ  2007-03-05投稿
七人ミサキ?
「羅喉!」
幸司が刀を引き抜き叫んだ。刀は黒色の大剣に変わり僧侶の姿の異形を頭から斬り裂いた。
「!」
斬り裂かれた僧侶の半身が幸司の腕を掴んだ。
「あっぷぺんぷぺんらいらいけーいひあっぷぺんらいらいけーいひあっぷぺんらいらい…」
強烈な腐臭を伴い、僧侶は意味不明な言語を繰り返した。
「この…気色わりぃんだよ!」
幸司はさらに羅喉を振るい僧侶の体を縦横無尽に叩き斬った。僧侶だったモノは斬り裂かれた体を集め再生しようとした「なんだ…コイツ!?」
幸司は僧侶が再生する前にその場から逃げ出した。

(遅いな、あいつ…なんかあったか?)御霊大樹を見上げ天馬は不安になった。「どうしました、天馬さん…?」
由香利が天馬の方を向き怪訝な顔をした。
「いや…別に…」
「大方、道にでも迷ったんでしょう。どれ、儂がみてきますよ。」
そういって松下が立ち上がろうとした時だった。不意に周りを見ると僧侶の姿があった。それは一人ではなく確認できるだけで5人はいた。「あんた達…いったい…」
松下が不用意に僧侶に近づいた時だった。僧侶達は三度笠を脱ぎ捨て、醜悪な素顔を晒した。
「ヒィッ!」
松下が腰を抜かしその場に倒れた。僧侶達は松下に迫った。「危ない!」
天馬が僧侶を殴り飛ばした。だが僧侶は再び立ち上がり、なおも迫った。
「あっぷぺんらいらいけーいひあっぷぺんらいらい…」
僧侶達は奇妙な言葉を唱えながら天馬に近づいた。
「ぎゃあああ!?」松下は恐怖に駆られその場を逃げ出した。
「松下さん、待て!これ以上先に進んだら…」
天馬の言葉も虚しく松下は森の奥へ消えていった。天馬の後ろでは由香利が恐怖の余り立ちすくんでいた。
(五対一…+お荷物…やるか!)
天馬は袖を捲ると腕を突き出した。
「むん!」
天馬の腕は電子音とともに組換えられ剣のような腕になった。
つづく

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