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MURASAME

[619]  あいじ  2007-03-31投稿
吸血鬼無想?

羅喉の刀身が砕け、光の刃が伸びた。幸司は羅喉を横に構えると、群がる吸血鬼を一閃のもとに薙払った。剣撃は凄まじい衝撃を生み、吸血鬼達が衝撃にのまれ弾けた。
「うりゃああ!」
幸司はそのまま羅喉を振り回し、辺り一面に衝撃波を振りまいた。
「バカ!やめれ、俺まで巻き込む気か!」
天馬の声も幸司の耳に入っていないのか、幸司はかまわず羅喉を振り回し続けた。その時、派手な爆発音が島中に響き渡り、吸血鬼を伴い、二人の周りが吹き飛んだ。


遠くで派手な音が聞こえる。彼女は耳を澄ませた。
(あの二人ね…派手やってるわ…)
半ば呆れながら、彼女…レイナは呟いた。彼女は二人から離れ、霧燈島内の森に潜んでいた。
(こっちはこっちの用を済ますだけ…あの二人には悪いけど…ね)
レイナは棺桶をしょいこむと歩きだした。

「あぶね〜…生きてるか?幸司」
「なんとか…」
吸血鬼の残骸から二人は抜け出した。
調子に乗りすぎたのか、幸司は血だらけで唸っていた。
「うえ…服ベトベトで気持ちわりぃ」
「飲むなよ。吸血鬼になるぞ」
幸司は服を脱ぎ捨てて云った。
「さ〜て…どうするか…」
「気がつきゃ、あの女もいないしな…とりあえず、吸血鬼達の集落へ行こう。何かわかるかも」
「賛成!」
二人は森に入っていった。

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