航宙機動部隊第二章・14
『ちょっ…ちょっと待て!』
当然こんな話、納得出来る訳がない。
『良いのかよ、こんなんで!知ってるだろう、あいつ等のやって来た事を!』
制服のスクラムの中で激昂に両手を振り回し、観戦武官は抗議したが、
『これが我々の任務だ。文句があるなら取り調べ室で聞く』
それで突き崩すには警備隊長の仏頂面は堅固過ぎた。
『任務!?お前等任務の意味が分かってるのか!?』
自分の前面にそそり立った、隊長の分厚い胸板に向けて、必死の怒鳴り声がぶつけられた。
『太子党の言いなりになって、その手先になるのが任務だとでも言うのか!?テロや犯罪グループと利害を共にしてそれを止めようとする者はこうして口止して、それで警備している積もりか!?』
『名誉毀損…の容疑も加えておこうか?』
しかし、両目に怒りを湛え出した隊長は、低めた声を震わせて、それこそあからさまな恫喝で応じ出した。
『ははっ、はははっ、良い気味だなあ』
勝ち誇った笑い声を放ち、フーバー=エンジェルミはリクと隊長達の成す人だかりに近付いて来て、
『おいっ、野蛮人!これで分かったろう?全てはこの僕の掌に有るんだ!くくっ、獄中で病死・事故死くらい簡単に創り上げる事も出来るからな。ああ?おや、どうしたあ?ビビッて小便ちびりましたかあ?』
警備員の人垣の間から顔だけ突き出し、少年に追い撃ちの言葉を浴びせかけた。
リクはただ睨み返すしか出来なかった。
そこへ、今度は別の制服に身を固めた男達が三人、さっきのリクと同じ方向から、やはり徒歩で駐車場に入って来た。
中央の上官らしき男が左右に部下を従える形で、真っ直ぐつかつかとこちらに近付いて来る。
上官は褐色の肌に綺麗に揃えられた口髭していた。
彼の部下達はどちらも青い鉄兜に防弾チョッキを装着し、磁力式無反動自動小銃を構えて、実に物々し気な出立ちをしていた。
『何の騒ぎですかな。これは?』
上官らしき男は、振り向いた警備隊長にそう尋した。
『はっ、ここにいる少年が、三人を射殺し、のみならずここで…』
『彼は私の部下です』
敬礼をして弁明し出した隊長の口上を、素早く動いた口髭が直ぐ様制し、当事者達を驚かせてから、
『小官はムハマド=ハザイ大佐です。連合艦隊司令部の命を受けて、憲兵を率いて今起こったテロの調査・収拾に当たっております』
当然こんな話、納得出来る訳がない。
『良いのかよ、こんなんで!知ってるだろう、あいつ等のやって来た事を!』
制服のスクラムの中で激昂に両手を振り回し、観戦武官は抗議したが、
『これが我々の任務だ。文句があるなら取り調べ室で聞く』
それで突き崩すには警備隊長の仏頂面は堅固過ぎた。
『任務!?お前等任務の意味が分かってるのか!?』
自分の前面にそそり立った、隊長の分厚い胸板に向けて、必死の怒鳴り声がぶつけられた。
『太子党の言いなりになって、その手先になるのが任務だとでも言うのか!?テロや犯罪グループと利害を共にしてそれを止めようとする者はこうして口止して、それで警備している積もりか!?』
『名誉毀損…の容疑も加えておこうか?』
しかし、両目に怒りを湛え出した隊長は、低めた声を震わせて、それこそあからさまな恫喝で応じ出した。
『ははっ、はははっ、良い気味だなあ』
勝ち誇った笑い声を放ち、フーバー=エンジェルミはリクと隊長達の成す人だかりに近付いて来て、
『おいっ、野蛮人!これで分かったろう?全てはこの僕の掌に有るんだ!くくっ、獄中で病死・事故死くらい簡単に創り上げる事も出来るからな。ああ?おや、どうしたあ?ビビッて小便ちびりましたかあ?』
警備員の人垣の間から顔だけ突き出し、少年に追い撃ちの言葉を浴びせかけた。
リクはただ睨み返すしか出来なかった。
そこへ、今度は別の制服に身を固めた男達が三人、さっきのリクと同じ方向から、やはり徒歩で駐車場に入って来た。
中央の上官らしき男が左右に部下を従える形で、真っ直ぐつかつかとこちらに近付いて来る。
上官は褐色の肌に綺麗に揃えられた口髭していた。
彼の部下達はどちらも青い鉄兜に防弾チョッキを装着し、磁力式無反動自動小銃を構えて、実に物々し気な出立ちをしていた。
『何の騒ぎですかな。これは?』
上官らしき男は、振り向いた警備隊長にそう尋した。
『はっ、ここにいる少年が、三人を射殺し、のみならずここで…』
『彼は私の部下です』
敬礼をして弁明し出した隊長の口上を、素早く動いた口髭が直ぐ様制し、当事者達を驚かせてから、
『小官はムハマド=ハザイ大佐です。連合艦隊司令部の命を受けて、憲兵を率いて今起こったテロの調査・収拾に当たっております』
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