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MURASAME

[492]  あいじ  2007-06-11投稿
鬼門?

瑪瑙が天馬の顔を見つめる。天馬は妙な笑みを崩さない。
「ふ〜ん…別にいいけど…いいの、それで?」
「まぁ、命あってのものだねだからね。早いとこ動けるようにしてくれる?」
瑪瑙が手を振り上げる。その腕がまるで刃のように天馬の体を引き裂いた。再び絶叫を上げる彼の顔に瑪瑙が笑った。
「やっぱりだめ。可王様と約束したもの…みんな殺すって…」
瑪瑙は腕を鞭のようにくねらせ、天馬の体を引き裂き続けた。天馬の至る所から血が噴き出し、顔から精気が消えた。
「でも…あなたはちょっと好みかな…殺す前に遊んであげる…」
天馬の腹部に軽い痛みが走る。見ると瑪瑙が腹部の傷口を舐めていた。
瑪瑙の舌が傷口で踊る度、天馬の口から唸りのような声が漏れる。
やがてそれは上方に上がり瑪瑙の唇と天馬の唇が重なった。瑪瑙の口から喘ぎが漏れる。
まるでめくるめく官能を味わっているようにも思えた。


(ちょっと無防備なんじゃねぇか?)
天馬の思考が瑪瑙の頭に伝わる。不意に天馬の唇が瑪瑙の唇に強く吸い付く。これでは言葉を漏らすことも出来ない。
(言葉が出なきゃ言霊だって使えない…これでお前を捕まえた…体も動かせる…)
(だからなに?この状態で何か出来るのかしら?)
天馬が腕を伸ばし、瑪瑙の体を掴んだ。二人は重なりお互いに抱きしめ合う状態になった。
(なにが出来るか…読んでみな)
何かを読み取ったのか瑪瑙が暴れて天馬から離れようとした。しかし天馬は渾身の力を込め瑪瑙の体を抱きしめた。
(よせ!私ごとバラバラになるつもりか!)
(惚れてもねぇ女と心中する趣味はねぇんだが…別にいいさ…さすがに跡形もなく吹き飛ばせば再生出来ないだろ?)
天馬の体の熱量が上がる。体の節々から煙があがり機械の部分が赤く溶ける。
(じゃあな…幸司…)
周囲に眩い光が撒かれ、同時に凄まじい轟音が辺りに響きわたる。
天馬の視界が黒い闇に支配された。

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