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航宙機動部隊第三章・実質10

[487]  まっかつ  2007-06-23投稿
現人神ならぬ現人堕天使は、相変わらずピエロの格好を誇示しまくりながら、悪魔も逃げ出す論法の爪牙でガラスをひっかき回す。
『僕はねえ―異端者を赦さない!あのライヴを強行したニー=ウー伯爵公女マエリーは、太子党の一員なのにも関わらず、僕達を裏切ったんだ!そうだ、あいつは裏切ったんだ!卑賎下劣な醜業に好んで就き、しかも、愚鈍で無知な一般星民共に進んで媚を売り、肌も露に股体を晒す―そう、尊貴な血筋・栄光有る家系にも関わらず、君達何かに…君達何かに!!こんな不祥事はねえ、有ってはならないんだ!!』
フーバー=エンジェルミは時価数十万クレジット公貨相当の肘掛け椅子から立ち上がり、拳を振り上げて熱弁を振るう。
ここまで来ると、恐らく百万単位の失笑と同時に発狂が視聴者達の間で起きているだろう。
『ターゲットは本来なら彼女一人だったのさ♪だけど、じゃあ何でこんなに巻き込んだか疑問に思うんだろう、君達?蛇足だが、あの襲撃に使ったのはねえ―小型の核地雷だったんだ!アッキャッキャッキャ♪いやあ、驚くだろう?まあ、兵器としては原始的なんだが、あれで中々高価なんだ―元々違法なんだから当然なんだけどね〜』

『か…核を…使った、だと!?』
『な…人の国の首都で!?ちょっと…ウソでしょ!?』
リクとテンペの両者の表現にこそ違いは有ったが、どちらも意識が遠のきかけたのは一緒だった。
恐らくは放射能こそ極微にまで抑えられているものの、その分解放されたエネルギーを狭く濃く収束させるタイプなのだろう。
限られた範囲でならば、最も残酷な兵器の一つで、だからギャラクシーウォーズ(恒星間大戦)以後、非人道的としてその製造・保有・使用は厳禁されている筈なのだが、他の核同様、寿命が異常に長く、処理し切れない分が地下市場に出回っているのは、確かなのだ。

『お前等さあ―調子乗ってんじゃねえよ』
太子党の総師の思考に着いて行くのは、まともな人間には不可能だ。
玉座に座り直し、また脚を組んでふんぞり反って、いきなり彼はまるで甚大な侮辱を受けているかのように、怒りに顔を引き攣らせ、画像を通して見るものに睨み付けて来たのだ。
『これはね―天罰なんだよ、否、神罰なんだ!まだ解らないのかよ!この銀河の主催者は僕達星間諸侯なんだよ。言葉じゃ解らないから、実地で教育してやるのさ』

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