航宙機動部隊第三章・19
日付替わって第二期三日[修正太陽暦一月八日]―\r
反対運動は収まる所か、更に拡大・過激化の様相を呈し、無軌道・無秩序の焔と爆風で、ティヴィタヴェキア中を舐め尽しては荒野にまるまで焼き尽さんばかりの勢いを示し、事実、一部ではそれが実現していた。
そしてその大半が、ただ破壊の為の破壊・殺戮の為の殺戮の応酬にまで堕落してしまっていた。
当初の目的は失われ、特に時を追う毎に加速度的に流入して来た野次馬的な参加者達の無責任な振る舞いが、運動自体に致命傷を与えた事、大であった。
統制を取り戻す様、何度もなされた指導者クラスや穏健派からの呼び掛け働き掛けは、無駄所か、逆上した星民達によって、寧ろ彼等が襲撃される事件が続発し、この日運動は空中分解に陥り、ただ剥き出しの感情と欲望の洪水だけが、その捌け口を求めて、全星を彷徨った。
良識ある層が口をつぐみ立ち去ると、早々と主導権争いが始まり、運動は幾つものセクトに分断され、彼等の間で激しい足の引っ張り合いが展開され、アジテートはたちまち武力抗争へとひた走り、遂には殺害に及ぶ事態にまで至ってしまった。
太子党の画策したテロに反対して立ち上がった筈の星民達が、僅か二日足らずで、何と同胞へのテロ合戦を始め出したのだ!
そしてそこへ、兼ねてから要請を受けていた最外縁征討軍凡そ一二五000名が惑星各主要都市に布陣を完了し、同日一二時、官憲の残存を併せた彼等に、星邦議長グイッチャルディーニ氏は反対運動勢力への攻撃命令を下した。
そう、攻撃命令だ。
幾ら戦争の無い中央域から来たとは言え、増援はれっきとした軍隊だ。
それに、原則殺し合いはしない艦隊クルーと違って、それこそテロや紛争制圧の主力たる立体型地上軍の兵士達は、実戦を経験し、命のやりとりは充分に積み重ねている。
一端攻撃が開始されると、それからの推移は実にあっけ無かった。
まるでそれまでの猛威が嘘の様に、暴徒達は本格的な抵抗を試みる所か、実弾の雨霰を喰らうや、すぐさま逃げ惑い、まるで大石が斜面を転げ落ちるかの様に、全面潰走・雲散霧消して行ったのだ。
前列を固めた地上軍が抵抗を排除しながら前進し、その後から続いたパレオス警察及び機動隊が、負傷者や投降者を残らず逮捕・拘束する。
全ては効率良く進められ、作戦開始五時間で、鎮圧はほぼ完了した。
反対運動は収まる所か、更に拡大・過激化の様相を呈し、無軌道・無秩序の焔と爆風で、ティヴィタヴェキア中を舐め尽しては荒野にまるまで焼き尽さんばかりの勢いを示し、事実、一部ではそれが実現していた。
そしてその大半が、ただ破壊の為の破壊・殺戮の為の殺戮の応酬にまで堕落してしまっていた。
当初の目的は失われ、特に時を追う毎に加速度的に流入して来た野次馬的な参加者達の無責任な振る舞いが、運動自体に致命傷を与えた事、大であった。
統制を取り戻す様、何度もなされた指導者クラスや穏健派からの呼び掛け働き掛けは、無駄所か、逆上した星民達によって、寧ろ彼等が襲撃される事件が続発し、この日運動は空中分解に陥り、ただ剥き出しの感情と欲望の洪水だけが、その捌け口を求めて、全星を彷徨った。
良識ある層が口をつぐみ立ち去ると、早々と主導権争いが始まり、運動は幾つものセクトに分断され、彼等の間で激しい足の引っ張り合いが展開され、アジテートはたちまち武力抗争へとひた走り、遂には殺害に及ぶ事態にまで至ってしまった。
太子党の画策したテロに反対して立ち上がった筈の星民達が、僅か二日足らずで、何と同胞へのテロ合戦を始め出したのだ!
そしてそこへ、兼ねてから要請を受けていた最外縁征討軍凡そ一二五000名が惑星各主要都市に布陣を完了し、同日一二時、官憲の残存を併せた彼等に、星邦議長グイッチャルディーニ氏は反対運動勢力への攻撃命令を下した。
そう、攻撃命令だ。
幾ら戦争の無い中央域から来たとは言え、増援はれっきとした軍隊だ。
それに、原則殺し合いはしない艦隊クルーと違って、それこそテロや紛争制圧の主力たる立体型地上軍の兵士達は、実戦を経験し、命のやりとりは充分に積み重ねている。
一端攻撃が開始されると、それからの推移は実にあっけ無かった。
まるでそれまでの猛威が嘘の様に、暴徒達は本格的な抵抗を試みる所か、実弾の雨霰を喰らうや、すぐさま逃げ惑い、まるで大石が斜面を転げ落ちるかの様に、全面潰走・雲散霧消して行ったのだ。
前列を固めた地上軍が抵抗を排除しながら前進し、その後から続いたパレオス警察及び機動隊が、負傷者や投降者を残らず逮捕・拘束する。
全ては効率良く進められ、作戦開始五時間で、鎮圧はほぼ完了した。
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