航宙機動部隊第三章・36
更に―クレオン=パーセフォンは主題を純軍事面に移した。
仮に最外縁征討軍側の宙際情勢・内部事情が最悪を極めたとしても、彼我の経済・技術格差は恒星と小惑星の違いがある。
この期に及んで自分達がその埋め合わせを計る何て絶望的な所業なのは言うまでもない。
艦隊も兵員も、それを支えるのは富であり生産力であり、機動部隊の隻数等、だから結果であって原因ではない。
中央域と言う銀河最大の経済圏を背景に有し、どれだけ荒れまくっているとは言え、パレオス星邦を基地として利用出来る連合艦隊は、この点全く死角が無い。
しかも引き連れて来た産業船団のおまけ付きだ。
多少、否、万が一その過半に及ぶ損害を喰らっても驚異的スピードで修理・休養を済ませる能力を誇っている。
エネルギー・弾薬・食糧・資材等の消耗品に関しては、一00年闘っても枯渇しない体制が既に出来上がっていたのだ。
『我々の入手した情報を総合し、可能な限り分析と演算を重ねた結果、彼等はエネルギー流路中継系を星系中に張り巡らして、パレオス星邦全体を協力な防護膜で完全に覆い尽し、あらゆる攻撃手段を封殺する体勢を整えつつあるとの結論に達しました』
左総長が手ずからパネルカードに入力すると、全席の中央にパレオス星系の巨大な立体ホログラムが出現し、ゆっくりと回転しながら、その内側が送信されるエネルギーを表す青白い碁盤目で埋め尽され、やがて外縁に湧出し展開した光が、文字通り国毎一つの細胞と化した。
それは正に、大航宙植民時代に復活した城郭都市の姿だった。
『恒星パレオスを核融合炉代わりとし、幾つもの浮遊型中継・増幅装置を使う方式で、その耐用年限は、内部の文明が滅びるか、恒星が無くなるまで―つまり半永久的に稼働し続けます』
王畿《メトロウォーズ》始め中央域の重用かつ裕福な星系が装備する、究極の防衛システムがこれなのだ。
一端機能すれば、仮に一0万隻の大軍でも攻め陥す事は出来ない。
その築造及び維持に莫大な人手・資金がかかるのがネックで、正直一つの星邦で負担出来る代物ではないのは、光速航法戦をする機動宙母群を揃えるのと遜色無い。
採用したパレオスが何百万年かかっても払い切れない負債を抱えるそれは莫大な額の筈だ。
仮に最外縁征討軍側の宙際情勢・内部事情が最悪を極めたとしても、彼我の経済・技術格差は恒星と小惑星の違いがある。
この期に及んで自分達がその埋め合わせを計る何て絶望的な所業なのは言うまでもない。
艦隊も兵員も、それを支えるのは富であり生産力であり、機動部隊の隻数等、だから結果であって原因ではない。
中央域と言う銀河最大の経済圏を背景に有し、どれだけ荒れまくっているとは言え、パレオス星邦を基地として利用出来る連合艦隊は、この点全く死角が無い。
しかも引き連れて来た産業船団のおまけ付きだ。
多少、否、万が一その過半に及ぶ損害を喰らっても驚異的スピードで修理・休養を済ませる能力を誇っている。
エネルギー・弾薬・食糧・資材等の消耗品に関しては、一00年闘っても枯渇しない体制が既に出来上がっていたのだ。
『我々の入手した情報を総合し、可能な限り分析と演算を重ねた結果、彼等はエネルギー流路中継系を星系中に張り巡らして、パレオス星邦全体を協力な防護膜で完全に覆い尽し、あらゆる攻撃手段を封殺する体勢を整えつつあるとの結論に達しました』
左総長が手ずからパネルカードに入力すると、全席の中央にパレオス星系の巨大な立体ホログラムが出現し、ゆっくりと回転しながら、その内側が送信されるエネルギーを表す青白い碁盤目で埋め尽され、やがて外縁に湧出し展開した光が、文字通り国毎一つの細胞と化した。
それは正に、大航宙植民時代に復活した城郭都市の姿だった。
『恒星パレオスを核融合炉代わりとし、幾つもの浮遊型中継・増幅装置を使う方式で、その耐用年限は、内部の文明が滅びるか、恒星が無くなるまで―つまり半永久的に稼働し続けます』
王畿《メトロウォーズ》始め中央域の重用かつ裕福な星系が装備する、究極の防衛システムがこれなのだ。
一端機能すれば、仮に一0万隻の大軍でも攻め陥す事は出来ない。
その築造及び維持に莫大な人手・資金がかかるのがネックで、正直一つの星邦で負担出来る代物ではないのは、光速航法戦をする機動宙母群を揃えるのと遜色無い。
採用したパレオスが何百万年かかっても払い切れない負債を抱えるそれは莫大な額の筈だ。
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