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MURASAME

[680]  あいじ  2007-08-06投稿
平将門?

都心からやや離れた所にあるアパート。一人の青年が階段を上がる。アパート自体が古い為か一段踏む度、ギシギシと軋む。
「ただいま…」
青年が気の抜けた声でドアを開く。ドアが開くのと同時にタックルのような衝撃が襲い、彼を押し倒した。
「おかえりー、幸司〜」
青年…村雨幸司に馬乗り状態で抱きついている少女が嬉しそうに笑った。
「砂羽…出迎えぐらい普通にしてくれ…」


可王による鬼門襲撃から一年の時が流れた。結果として鬼部大社は全滅、役人の安藤天馬が死亡するという事態となり幸司は妖庁の仕事から退いていた。
蔵王丸の口添えもあり、一条砂羽は幸司に預けられることになった。
幸司は砂羽を抱き上げ、部屋へ入った。部屋中がぐちゃぐちゃに荒らされており二目と見られぬ有り様だった。
「俺一人の時はこんなじゃなかったのに…」
幸司はとりあえず落ちてる物を隅へ寄せると腰を下ろした。すると、砂羽が近寄りぴっとりと抱きつく。
「えへへ…」
幸司は幸せそうに笑う砂羽の頭に顔を近づけた。不意にその顔が歪む。
「臭い!砂羽、てめぇ、何日風呂入ってないんだ!?」
「わかんない」
幸司は嫌がる砂羽を引きずり風呂場へ直行した。


「ここか…」
竜助は幸司の部屋の前まで来て立ち止まった。片手にはお土産らしき包みを持っている。
竜助はドアをノックする。だが返事がない。ドアノブをひねると鍵がかかっていなかった。
「村雨先輩?入りますよ?」
竜助が足を踏み入れるとけたたましい喚き声が聞こえ、全裸の砂羽が駆け出して来た。
「ち…ちょっと…!?」
竜助は外へ飛び出そうする砂羽を受け止め、上から着ていたコートを被せた。
「砂羽!お前なんでそんなに風呂が嫌いなんだ!」
続いて風呂場から幸司が駆け出してくる。玄関口の竜助と目が合った。
「竜助…?」
「お久しぶりです。村雨先輩…」


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