携帯小説!(スマートフォン版)

トップページ >> ホラー >> MURASAME

MURASAME

[568]  あいじ  2007-09-10投稿
平将門?

羅殺剣の衝撃が将門塚一帯を一閃した。その輝きは帝都中を覆い尽くすようである。例え、帝都のどの場所からでもその眩いばかりの輝きを確認することが出来ただろう。
「どうだ、あんだけ至近距離で喰らえばちったぁ…」
幸司が息も絶え絶えに立ち上がり、竜助を抱きかかえた。
「村雨先輩…来てくれたんですね…」
「あんなもんがいちゃ迷惑だからな。それに後輩を放っておく程薄情じゃねーよ、俺は」
幸司が頭を掻きながら照れくさそうに顔を背ける。竜助はなんとも言えない気持ちになった。
「オ…オオオオオオ…」
獣のような声が辺りに響いた。
羅殺剣の衝撃により吹き飛ばされた筈の鎧武者が立ち上がり、幸司に向かい歩み寄っていた。しかしその体はボロボロで鎧の欠けた部分から血のように赤い蒸気があがり、背中につながっていた触手も断ち切られている。「先輩…」
「心配すんな。何を考えてるか知らねーが、もう一度吹き飛ばされたいらしいな」
幸司が羅候を構え直す。
「オオ…神ヨ…キサマヲ怨ム…俺ヲコノヨウナ姿ニシ地獄ノ底ニ封印シタコトヲ俺ハ忘レン…!」
将門の体が黒い蒸気で包まれていく。
幸司の本能が瞬間的な恐怖を感じとり、竜助を抱えると首塚の外へ走った。
「オオオオオオオオオオオオ!!」
首塚全体を吹き飛ばす程の轟音が響き、大量の邪気がその体から放出された。
「蔵王丸様、もしかしてあれは…」
「こいつは厄介なことになったな…」
大手町から離れた渋谷で兵をひいていた蔵王丸と村神の表情が凍りつく。
二人が見つめるその先には、高層ビルに匹敵するかの如く巨大な鎧武者の姿が浮かんでいた。
「奴め…将門の狙いは自分を滅ぼしたこの国の首都、帝都東京を完全に滅ぼすことだったか!」
薬師院大光明がその鎧武者を前にして吼え叫んだ。隣にいる可王京介の表情が険しくなる。
「大光明…俺を飛ばせるか?」

感想

感想はありません。

「 あいじ 」の携帯小説

ホラーの新着携帯小説

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス