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処刑生徒会長第二話・25

[810]  まっかつ  2007-09-11投稿
第三中学校・生徒会長室―\r

『そうか―情報提供有難う』

梅城ケンヤはゆっくりと携帯を閉じ、話の中身を周囲に告げた。

『奴らの居場所が分かった―私鉄O線の33号高架下だ』

そして、今度は自分から携帯をかけ始め―\r

『赤木か?今第一中学校から連絡が入った。連中は学区境の例の高架下にいる―そうだ、総力を上げて潰せ。私もすぐ出る』

指示を終えたケンヤに、副会長・港リリアは不満と不信を顔にした。

『何で女子学生一人何かに総動員をかけるのです?』

『決まっている―彼女が体育館の惨劇の真犯人だからだ』

『まだ、そうだとは―』

『私含め30人以上の目撃者がいるんだぞ!その内20人以上が騒ぎを聞き付けて様子を見に来た【地元の人達】だ!これだけ証拠があって、なぜ疑う余地がある!』

『ならば、警察に通報した方が―』

『はっ!』

ケンヤは吐き捨てた。

『そんな事をしてみろ―本校の自治権が取り上げられるぞ。教育省の直轄下に置かれて、官僚が出向して来る!欲と金にまみれ腐敗し切った奴らなんかに、君は学校を乗っ取られても良いのかね?知ってるだろう。奴らに仕切られた学校は、かえって利権と堕落の巣窟になる―全てが金で動き、薬物と援交が氾濫するんだ!君はそんなんで良いのかね!?』

『い、いえ―』

会長の余りの剣幕に、港リリアは気圧されてしまった。

誇張はあるにしても、ケンヤの言葉は確かに真実に基づいていた。

そこへ―\r

再びケンヤの携帯が着信を告げた。

特別調査取締班の集結完了のそれは知らせだった。

すぐ返事して通話を終えたケンヤは―\r

『ここは改革の城・イジメ撲滅の総本山だ。だから敵も多い―だがそんな事で君達も怯むな』

急いでブレザーをまといながら、詰めかけた生徒会員達に訓辞を垂れた。

『一条フサエを捕え、正義の裁きにかける。それで全てが終わる―港副会長、後は頼んだぞ』

『はっ』

確かに梅城ケンヤは力強いリーダーだ。

論理も理想も一貫している。

だからこそ、部下達の忠誠心をしっかり掌握し、それはこの位の疑惑ではびくともしない―\r

港リリアはそれを認めるしかなかった。

着替えを終えた梅城ケンヤは颯爽と会長室を出て、特調班の待機する校庭朝礼台へと向かった。

一条フサエに止めを刺すために。

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