携帯小説!(スマートフォン版)

トップページ >> 恋愛 >> 「涙腺」 (3)

「涙腺」 (3)

[785]  来希  2007-09-24投稿
毎日が幻のようで

君がもうこの世にいないという現実を
どうしてもまだ受け入れることができない

何事もなかったかのようにひょっこり現れる気がする

そんな現実逃避を
何回も何回も
繰り返して

完全に俺は君と歩んだ道の上で

立ち止まっていた


そんなとき
彼女の母が家を訪ねてきた

白い袋をぶら下げて

「どうも」

恥ずかしそうに言った

部屋は散らかり放題散らかっていて
とてもお客さんを入れられる状態じゃなかったので

「外行きましょうか」

苦笑いしながら言った


彼女の母はとても静かだった

会いに来るにはそれなりの理由があるはず

そう思ったけど、なかなか聞けず
しばらく沈黙した空気が流れていた


道の隅の方でヒマワリが一輪咲いていた

彼女の母もそれに気づいたのか

「あの子みたいね・・」

そうしみじみと言った

「そうですね。彼女はホントにヒマワリが好きだったですから・・」

俺もその言葉に答えた


そんなゆったりとした時間が流れる中

ある公園の前で俺の足はぴたっと止まった

<続く>

感想

感想はありません。

「 来希 」の携帯小説

恋愛の新着携帯小説

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス