（…ねぇ？？兄さん？？どうして兄さん達は戦うの？？何か特なの？？）

非常に冷え込む日の晩であった。

『ただいま…あ〜、寒い…』

六畳一間のマンションの一室に現れたのは茶髪でくせ毛の強い男であった。

ミラ『…！？臭い！！！！？アッシュ兄さん近寄らないで！！！？』

ミラはいつもの喪服ではなく白いパーカーにスウェット姿であった。

アッシュと呼ばれた男『おいおい…久々に非番で帰って来たのにそりゃないだろ？それに最近相手も間髪入れずに暴れてくれるもんだから宿舎にも帰れなくて…ハハハ！！』

ミラはため息と共に頭を掻いた。

ミラ『お風呂、沸かしてあるからどうぞ？最も、ついでに掃除もお願いしたいの？』

アッシュは鼻の頭を掻いて答えた。

アッシュ『へい！！くそぉ、少しはなんか労いの言葉とかないのかよ…』

アッシュは文句を垂らしながら風呂場に向かおうとした時。

アッシュ『あ…そうそう。あの男も今日から非番だからもうすぐ大好物のあれをもってここに到着するんじゃないか？』

アッシュの言葉を聞いた瞬間、ミラの表情は少し柔らかくなった。
それから３０分後、ミラとアッシュが協力してある食事の用意をしているとインターホンが部屋に鳴り響く。
アッシュは余裕の表情で玄関を開ける。
するとその瞬間アッシュの喉元に携帯用刃物を突き立てる若い男の姿があった。

『無用心だな…非番でありながらも…』

アッシュは余裕の表情を崩さなかった。

アッシュ『勘弁しろよ…たまの休みだぜ…龍雅…入れよ』

アッシュも龍雅の脇腹にサバイバルナイフを立てていた。

龍雅『その余裕…腹が立つ。…例の物は持って来た。好きなだけ堪能するがいい』

アッシュは龍雅の持ち物を受け取ると直ぐさま奥へと入った。

アッシュ『ミラ！！肝心の豚肉が来たぞ豚肉が！！』

遅れてアッシュの背後から龍雅が顔を覗かせた。
ミラは龍雅の顔を見るなり安堵の表情を浮かべた。

ミラ『かなり久しぶり？よね？？』

龍雅は表情を崩さず軽く頷く程度であった。

龍雅『半年ぶり…それ以上か…』

歳も変わらない若者同士であるがそこには大きな隔たりがあった。

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