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航宙機動部隊前史・8

[441]  まっかつ  2007-09-29投稿
西暦三00一年・宇宙連盟《スペースリーグ》が成立した。
初期に加盟したのは、有人惑星を持つ星系国家四・船団型の航宙植民勢力七・各星系に半定住する植民体が一二・合計二三の国家・勢力であった。
この時までに大気造成等の有人化が完了していた太陽系外惑星は残らずその傘下に集った。
旧宗主国・太陽系連邦は、概ね上手く振る舞った。
遅かれ早かれ独立を巡り衝突するであろう各星系国家の自治を予め認めてしまい、引き続きその手綱を確保する為に、自ら一加盟国にまで成り下がったのだ。
名を棄てて実をとる戦略だったが、今だ人類宇宙で圧倒的な比重を占めていた太陽系連邦は、逆に唯一の超大国として、余計な足枷の無い特典を多数得て、しかも、加盟各国からの反感を巧みに避ける事にも成功したのだった。

だが、それでもそれは、一つの時代の終焉を意味していた。
まずはこの年をもって、銀河元号制が導入され、西暦制はローカルな暦にまで格下げされた。
西暦三00一年は銀河元号元年となった。
歴史上の時代区分では、この時をもって《宇宙時代》の正式な始まりとされる。
それまでは《太陽系時代》とされ、どれだけ人類の宇宙進出が進んでも、あくまでその故郷・太陽系の活動の延長線上の事と位置付けられていた。
同じく、西暦二四世紀頃までは《地球時代》と一括りされていた。
大体同二0世紀からを《地球時代末》・それまでを《古・地球時代》と呼ぶ習わしだった。
他に諸説があるが、これが最も普及していた未来人類の時代認識だったのだ。

宇宙連盟は、人類が持った最初の恒星間政体だった。
よってそこでは、特に政治・司法・経済面で様々な実験的試みがなされ、後の時代の規範となる制度や組織の大半がこの時に確立している。
まず政治・行政の完全な役割分化【政行分離】だ。
宙際政治に関しては、四年毎に開かれる連盟大会議によって全てが決められ、他に臨時総会や常設委員会がそれを補足したが、最も重要なのは、大会議開催地は毎回変わり、一度開催された所は、最低向こう二回分は選定から外されると言う規制が設けられた事だ。
詰まり、どこか一つが【首都】になる事は無い。
逆に行政機能は、全て太陽系アステロイド群の一つ・小惑星アテナに集められた。

ここに大会議等の採決が全て送信され、官僚によって政策化されるのだ。

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