航宙機動部隊前史・11
では、宇宙連盟=太陽系連邦体制が加盟諸国を完全に抑圧したのか?
結果はそうでも無かった。
確かに、資本・通信・知財では、太陽系連邦は絶大な支配権を振るった。
彼等の主導の下、ネットやパテント使用料金はかなり恣意的に定められ、しかも都合次第で良い様に釣り上げられたりして、一般諸国は甚大な経済的不利益を余儀無くされ、不満を募らせた。
資本面では開発途上の各国は、太陽系の資本投下が無ければ、何も出来ないのが実情で、勿論太陽系側はそれを狙って制度を組んでいた。
よって対立は年々激しくなったが、宇宙連盟には決定的な弱点があった。
軍事力だ。
余りにも拡大した人類世界をコントロールするだけの宇宙戦力を整備する事など、実質不可能だったのだ。
武装した光速宇宙船を大量に揃えるには、天文学的な時間と資本が必要な上、それを宇宙中に展開して作戦させる自体、どう考えても無謀な試みだった。
第一、百光年離れた勢力を討伐して帰還するまでに、往復二00年以上を要する。
つまり、反抗勢力の軍事的鎮圧と言う手段が技術的に使えない。
これは同時に、各植民体を守る力を宇宙連盟は持って無い事を意味する。
自力で防衛しなければいけないから、必然的に各植民体は大幅な自治権と独立性を主張出来る。
だから宇宙連盟の支配に抵抗する、それは大きな土台になる。
軍事力に裏付けられた秩序が確立出来ない以上、宇宙連盟も余り強くは出れない。
最終的に、太陽系連邦とその他の加盟国との間には、一種の勢力均衡が出現し、対立が大規模な戦争に至る事態は無かった。
勿論、両勢力間の利害を軸にした闘争は苛烈を極めたが、それは飽くまで経済・制度を巡る物であって、時には暗殺まがいの事まで発生したが、妥協と修正に落ち着く事がどの道約束されていた。
銀河元号一0一年には、人類の総人口は推定四00億に達し、その活動領域は球形に均すと、半径七0光年に及び、新たに八つの星系に入植し、三つの惑星の可住化に成功していた。
太陽系連邦は相変わらず唯一の超大国の地位を堅持していて、同時期の人口の内三九四億人が所属し、加盟勢力GDP合計の九六%・知財の八八%までを占めていた。
だが、少しずつではあるが、その占有率は低下する傾向を見せ始めたのも、この頃からであった。
結果はそうでも無かった。
確かに、資本・通信・知財では、太陽系連邦は絶大な支配権を振るった。
彼等の主導の下、ネットやパテント使用料金はかなり恣意的に定められ、しかも都合次第で良い様に釣り上げられたりして、一般諸国は甚大な経済的不利益を余儀無くされ、不満を募らせた。
資本面では開発途上の各国は、太陽系の資本投下が無ければ、何も出来ないのが実情で、勿論太陽系側はそれを狙って制度を組んでいた。
よって対立は年々激しくなったが、宇宙連盟には決定的な弱点があった。
軍事力だ。
余りにも拡大した人類世界をコントロールするだけの宇宙戦力を整備する事など、実質不可能だったのだ。
武装した光速宇宙船を大量に揃えるには、天文学的な時間と資本が必要な上、それを宇宙中に展開して作戦させる自体、どう考えても無謀な試みだった。
第一、百光年離れた勢力を討伐して帰還するまでに、往復二00年以上を要する。
つまり、反抗勢力の軍事的鎮圧と言う手段が技術的に使えない。
これは同時に、各植民体を守る力を宇宙連盟は持って無い事を意味する。
自力で防衛しなければいけないから、必然的に各植民体は大幅な自治権と独立性を主張出来る。
だから宇宙連盟の支配に抵抗する、それは大きな土台になる。
軍事力に裏付けられた秩序が確立出来ない以上、宇宙連盟も余り強くは出れない。
最終的に、太陽系連邦とその他の加盟国との間には、一種の勢力均衡が出現し、対立が大規模な戦争に至る事態は無かった。
勿論、両勢力間の利害を軸にした闘争は苛烈を極めたが、それは飽くまで経済・制度を巡る物であって、時には暗殺まがいの事まで発生したが、妥協と修正に落ち着く事がどの道約束されていた。
銀河元号一0一年には、人類の総人口は推定四00億に達し、その活動領域は球形に均すと、半径七0光年に及び、新たに八つの星系に入植し、三つの惑星の可住化に成功していた。
太陽系連邦は相変わらず唯一の超大国の地位を堅持していて、同時期の人口の内三九四億人が所属し、加盟勢力GDP合計の九六%・知財の八八%までを占めていた。
だが、少しずつではあるが、その占有率は低下する傾向を見せ始めたのも、この頃からであった。
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