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雪の華33

[594]  龍王  2007-10-06投稿

「……うや……そうや! 朱斐のことなんか好きやない! 女としてみてない……オレが怒ってるんはお前にや!」

「───……」

「なんで裏切った? お前言ったやん? 朱斐を手に入れろって大事な駒やって……オレらは……同じ……だった」

 白藍の顔が歪み、拳の力も弱まる。

「オレら……二人だけやった。他はみんな駒でしか無かった……なのにお前は裏切った」

 黄藍は黙ったまま、白藍の悲痛な叫びを聞き続ける。

「……朱斐が好きなんか? オレを……置いて……一人で……行くんか?」



ずっとずっと二人だった。
汚い大人の中で生きてきた。

有益無益・嘘偽り・冷酷無慈悲。

綺麗なものなんか無い世界。

将来のための英才教育、異常な日々を送った。

息苦しく、心が死んでいくのが分かった……


でも二人だったから

一人じゃなかったから───今まで




「なん…で……お前やねん。なんでオレを裏切るやつが……よりによって……お前なんや……」

 ガクッと床に崩れ落ちる白藍を無表情で見下ろす黄藍。

 そして──

「いつまでも一緒にはいれない」



そう冷たく言い放った。

 

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