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処刑生徒会長第三話・16

[849]  まっかつ  2007-10-07投稿
そして、八月三日・東京都Z区立第三中学校全生徒登校日―\r

『諸君。先の件では私は言い逃れはしない、誤魔化しもしない』

体育館に集まった1000人に向かって、生徒会長・梅城ケンヤの声が朗々と響く。

十数日前、当のケンヤが一条フサエ達を殺しにかかったそこは現場だ。

既にネットや口コミ等で、生徒達の一部は事件のあらましやその背景を知っている筈だ。

それはまだ表面化こそしてはいなかったが、だからこそ梅城ケンヤは先手を打つ必要があった―\r

『だが君達が投票したのは私の過去にではないだろう―未来の成果とそのための改革を求めて、君達は私を会長に任じた。だから私は過去を美化したり隠蔽したりはしない!それは勇気ある改革者のやるべき振る舞いではない!』

構内スピーカーをキンキンと鳴らしながら、実質独裁者は熱狂に満ちた演説をぶった。

『だから私は君達に必ず成果を示して来た!腐敗を糾弾し、イジメを激減させ、イジメグループに正義の裁きを加え、全ての生徒がイジメや暴力に脅えないで通える学校を実現した!これが成果だ!今までどの会長達も出来なかった改革を、私は断行して来た、新しい学校を実現するために!』

拳を振るい、汗を流しながら、梅城ケンヤは更に続けた。

『そして私は約束する―これからも改革を進め、より大きな成果を君達に示そう。そのための決意を今、お見せする!』

ケンヤが左手を大きく掲げると、外部ドアの一つが開き、三人の男子生徒が風紀委員達によってステージ真下にまで引き立てられて来た。

『風神タツオ・河田テツヤ・木州レイジ。君達三人は、とある女子生徒を長期間に渡ってイジめ、それぞれレイプに及んだとの告訴が来ている―それに相違ないかね?』

梅城ケンヤが彼らに質問し―生徒達が思わず発したどよめきに体育館が埋め尽された。

『違う!冤罪だ!!』

背中に風紀委員の構える小銃を当てられながら、風神タツオは抗弁した。

『そんな馬鹿な事、俺がする訳がない!』

河田テツヤもそれに同調した。

『そうだ!誰かが俺達をハメようとしているんだよ!』

木州(きす)レイジに至っては必死に梅城ケンヤに訴えた。

『会長!あんたは騙されてる!!調べ直してくれ!俺達は全員潔白なんだ!!』

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