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トトノート

[859]  まっかつ  2007-10-10投稿
とある製薬会社から研究中の製品が紛失した。

それは極度の便秘に苦しむ患者を救うために造られたノート型の生理現象調節機だった―\r

その名は【トトノート】

このノートに名前を書かれた人物は全て…











盗んだのは他でもない。

開発に当たった天才科学者だった。

『あ〜あ、こんなもん作ったってしょうがないんだがなあ』

アメリカ合衆国コロラド州デンバーの研究所からこのノートを持ち出したベンジャミン=ノイマン博士は、退屈そうにぼやいた。

画期的な製品ではある。

だが正直思う。

便秘位でこんな大袈裟な物作んなよ、と―\r









いや、待てよ?

博士の頭に、とある悪戯が閃いた。

使い方によっては、案外面白いかもなあ。

だが、博士には野心も欲望もない―\r

―そうだ

誰か赤の他人に預けてみよう。

彼がこのノートを良く使えば世界は少しだけ改善するかも知れない。

仮に悪用しても、たかが下痢をくだすだけだ。

別に命に関わる訳じゃあない―\r

もちろん名前を書かれた側に取っては迷惑千万な話だったが、あいにく博士はそこまでの責任感はなかった。

世界の誰かに託すために、博士は原始的だが実に公平な方法を採用した。

丸めたノートを大きめの瓶に入れて、カリフォルニア湾から流したのだ。

英文の説明書を添えて―\r

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