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トトノート・2

[636]  まっかつ  2007-10-12投稿
秋の江ノ島は、何か寂しい。

昼間っから授業をサボって来た高校生・和式都射(トイル)は、そこら辺から拾ったござに座って砂浜を眺めた。

『ああ〜つまんね〜』

ぼやきながら、彼は仰向けに倒れ込み、首の後ろに腕を組んだ。

抜けるような青空―\r

涼しい浜風―\r

だが、刺激がない―\r

和式都射は大した取柄もなければ、彼女もいない。

逆に、イジメや病気や家庭問題みたいな深刻な悩みを抱えている訳でもない。

平凡で無機質で退屈な日常―\r

かと言って、今更一部の同級生みたいにグレるような度胸もないし、正直みっともない。

超低空飛行で辛うじて卒業証書が手に入れば良いや―\r

和式都射は無気力なまま、ぎりぎり留年しない程度に、こうしてサボるのが習慣となっていた。

だが、やっぱりつまらない―\r

『いっそ死神か何かが俺に人を殺す力を与えてくれたらなあ〜』

結構面白そうじゃないか?

そう想像して、和式都射は余りのくだらなさに苦笑した。













ふと波打ちぎわに目を寄せると、そこには相変わらずの光景が広がっていた。

所々に水に濡れたゴミが散らばっている。

だが―\r

きらりと光る何かに、都射は目を留めた。

あれ、瓶か?

それは砂浜のかなりこちら側に転がっていた。

良く見ると、中に何か茶色い物が入っている。

興味のままに、都射はござから立ち上がった―\r










一升瓶をやや大きくした位か―\r

刻印されたロゴや文字をみると、どうやら外国製らしい。

瓶の口はコルクでしっかり栓をされていた―\r

和式都射はござに戻り、かなりの苦労の末、その栓を抜いた。

そして指を突っ込み、丸められた中身をより大きな苦労を重ねてようやく取り出した。

『何だ、こりゃあ?』

瓶を放り投げた和式都射がそれを確かめると、どうやらただの大学ノートみたいだった。

座ったままぺらぺらとページをめくると、一枚の紙が彼の足元に落ちる。

それを拾ってみると、1面に英語がぎっしりとタイプされていた。

つたない英語力を駆使して、和式都射はそれを解読してみた―\r

『this is a notebook what promote someone's natural activity―これは人の生理現象を促すノートです…はあ?』

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