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S/R…1章説

[539]  R  2007-10-23投稿
あの頃の私は目の前の事に精一杯で、いつも私の中心には彼がいた…。
今日はやけに空が白く、雲の隙間からは眩しすぎる程の光が満ちた…私は顔をしかめシワをよせ、「早く着かないかな…」そんな事を考えていた。バス停毎に、乗車口から冷たい風が入ってきた…「カルシウム不足…?」今年に入って禁煙になった会社の下で、一本の煙草に火をつけた…出勤五分前…今日は朝から合同会議だ…眠い…眠すぎる。。肩書きも何もない私にとっては、プール後の5限目の授業にすぎなかった…13時を過ぎ何を食べようかと考える…然程お腹は空いていないし、面倒だ…出前にしようか…?メールを打ちながらパソコンを開いた…やっぱり出前にしよう!!余計に瞼が重くのし掛かる…外へ出よう。午後の眩しい光と今朝よりも冷たくなった風…相変わらず空は白かった。見慣れた景色ばかり、重たい鞄の中には数枚の書類と地図…マナーモードの携帯と化粧品…残り一本の煙草…訪問先を出る頃、少し薄暗くなった空を見上げて、少しだけ切なくなった…靴擦れをおこした足が痛かったが、そんな背中を誰かに見られている気がして、あえて背筋をピンと伸ばし足早に歩いた…小さな商店街が並ぶ、あの角にはガソリンスタンド…空き家が並ぶ…コンビニへ寄って帰ろう…缶コーヒーを1つ、煙草を一箱、コーヒーを飲みながら歩道を渡ると、間もなく会社へ到着する…残り一本の煙草に火をつけた…薄暗い喫煙所の隅には四つの灰皿があって…時々作業着を身につけたおばさんが掃除をしている、ベンチが欲しいと嘆く声もするが、煙草を辞めれば良いのだと煙草を吸わない人達は言う…3階のオフィスはいつも賑やかで、時々息苦しくも思える、18時が回る頃には冬も近付くせいか、日も落ちていた、同僚と食事をしたりもするが、その日は疲れていたせいか、早々と会社を後にした…冷たい風が煙を運ぶ…真っ暗な空と街の灯り…それだけはいつも私の目に映えて見えていた…バスはいつもの路を行く…街の灯りは眩しくて目を閉じてしまいそうになるが、1つ橋を越えると、外灯もない街に辿り着く…そこからバスを降り、自転車で10分…私の家がある。
十字路には点滅した信号機、時々本当に怖くなる程の真っ暗な一本道、田や畑、ビニールハウスが並ぶ、数台の車が行き交う…
1時間に二本のバス…それに乗って私は毎朝会社へ向かう、そのバス停を挟んで向かいのアパートに彼が住んでいた…

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