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S/R…2小説

[563]  R  2007-10-24投稿
赤の点滅の信号機を過ぎ、右へ曲がって二件目に私の家がある…玄関を開けると尻尾を振りながら帰りを待つラブの姿、シーズー犬のメス、、愛しくも思えるが、時々ストッキングを引っ掻かれイライラする事もある…
家には、父と母…妹と兄、兄の彼女が住んでいる、長男は結婚をして家を出た、1つ年下の妹は最近男と同棲を始めた…
父と母の帰りはいつも遅く、不規則な食生活でもあった、日が暮れる頃仕事から帰り、一番歳の離れた妹を連れ毎日買い物へ出かけるのが日課だ…
母は二年程前に体を壊し、半年程前に二度目の入院をした、今は家事に追われる日々を送っている…
あの日の事を思い出すと何故か込み上げてくるものがあるが、たいして覚えてはいなかったりする…
中学生になる頃からあまり親とは出掛けなくなった、時々私は客観的に家の中での出来事を見たりする、冷めているわけではない、両親が嫌いな訳でもない、ただ一人でいる事の方が楽なのだ…
家を出た今でも、妹は家に毎日の様に来ては、母を連れ出している…
春にはお桜見に、夏には花火、秋にはコスモス…冬になると母の誕生日を祝ったりしている…
帰りに買った不動産屋の雑誌を見ながら酎ハイを片手に…22時を過ぎた頃、「カサカサ」と音がした、ラブである、部屋の戸を開けてほしいという合図…面倒臭くて知らないふりをしても吠え出してしまうから、更に面倒だ…5〜6年前の妹の誕生日に飼う事になった、今では人間の様に布団の中で寝ていたりする…私が二十歳くらいだっただろうか…まだ生まれたばかりのラブはとても小さく、留守番をさせるのも可哀想に思える程だった…その頃バス停の向かいに住む彼は、我が家よりも先にある橋を越え、細い山道を登った一軒家に両親と三人で住んでいた…
高校時代に自転車で彼の家へ行った事があるが、坂を昇りきる頃には冬服のブレザーを脱いでいた…冬なのにとても暑かったのを覚えている…私が16歳の夏だった…2つ年上の彼は大学生で、今思うと、二人とも若すぎたのだろう…というより、単純に若いなと思ってしまう私は…先月誕生日を迎え26歳になったばかりだ…。彼は来月で28歳を迎える…
もうすぐ酎ハイが空きそうだ…ふと、2ヶ月前に別れた男の事を思い出した…
彼も2つ歳上だったな…街の夏祭りの後、丁度半年を過ぎる頃に別れた…何故か私は、綺麗事を並べるのが得意で、いつも後悔ばかりしている気がする…

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