携帯小説!(スマートフォン版)

トップページ >> ノンジャンル >> スクリーム

スクリーム

[441]  2007-10-30投稿
8月の暑い日。

愛しの母を失った。

僕は母と同時に「声」を失った。


あまりのショックな出来事だったから。

喋れなくなった。


僕には身内はいない。生まれてすぐに捨てられたから。

そんな僕を他人だった「母」が育てた。

でも今はもういない。


遺骨を抱いたまま、わずかな小銭を握って家を出た。と言うか、追い出された。

だって…まだ。家賃なんて払える年じゃないし。


とにかく遠くに行きたかった…


わずかな小銭を僕は切符に変えて、電車に乗った。


行き先は昔、母と一度だけ行った原宿。

行く理由なんてなかったけど。


行くとこがなかったから。




原宿は、昔来たときと変わってなかった。
見渡す限り「人」「人」「人」。

田舎者の僕にはみるものすべてが新鮮だった。

母と来たときに寄ったお店も、まだあった。


一通り原宿を歩き回ったんだ。

でも何もみつからず…呆然と立ち尽くすしかできなかった。

すると足下から

「よ〜!田舎モン。」「オメーだよオメー。」



「物騒なモン抱き抱えて何してんだよ?」

「………。」僕は喋れない…声が出ない。

感想

感想はありません。

「 紅 」の携帯小説

ノンジャンルの新着携帯小説

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス