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ツイン スカル*4

[437]  藤見彰造  2007-12-17投稿
ここダハルは、『西の海』に浮かぶダハル本島と、近隣の小さな島々からなる王国である。
ダハル本島の中心にはダハル湖が広がり、西のガピテナ山から流れ落ち、ダハル湖で南北に分かれて海に注ぎ込むピテナ河が、島を東西に二分していた。
河岸には至る所に監視所が立ち、東西の行き来を厳しく監視しており、許可なく渡河しようとすれば、死罪と決められていた。
ダハル湖の沖合に浮かぶレオニス島には王宮と闘技場が並び立ち、闘技場では日夜、奴隷闘士達の戦いが繰り広げられている。これを見ようと世界中から集まる人々の落として行く金で、王国は大いに潤っていた。
国王レオニス三世は、剣士や犯罪者を金の力で集め、奴隷闘士として闘技場で戦わせていた。特に名の通った盗賊、海賊等には法外な賞金をかけており、死刑となるはずの犯罪者を殺さず、高額で闘技場に売るという国まで存在するほどであった。
ピテナ河の東側の港町サナトスは、闘技場の見物客を目当てにした宿屋や酒場、みやげ物屋などが立ち並び、活気に充ちていた。
河の西側は奴隷闘士達の居住地区と、酒場が四軒と娼婦宿が五軒、他には衣類や雑貨を扱う小さな店が数軒有るだけの商業地区が有り、あとはガピテナ山と麓の森と荒れた野原が広がっているだけであった。。
一度奴隷闘士になった者が、戦いから解放されてこの島を出られるのは、闘技場に於いて三年間チャンピオンの座を守り抜いた時と死体になった時のニつの場合だけであり、それ以外の方法で島から脱出した者は過去一人もいなかった。
サナトスの港以外の島の周囲は断崖絶壁で下は岩礁に囲まれ、海に飛び込めば死は確実であった。それでも一縷の望みを託して、年に何十人もの人間が海に飛び込んで命を散らしていた。

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