星の蒼さは 1
『序章・UNHAPPY NEW YEAR』
12月31日。東京。嵐の夜。小さな屋根付きバス停のベンチに座って卯月晴(ウヅキハル)は空を見上げた。
「畜生ォ。紅白の大トリ間に合わねェなァ」
夜からにわか大雪。傘を忘れたハルは完全に立ち往生だった。目の前の人混みに目をやってみる。
誰もがそそくさと家路を急ぎ右から左へ、左から右へと傘の山が流れていく。
(・・・走るか)
ハルは重たい腰をあげて、僅かにかかった雪を払った。その時だった。
「ひゃ〜やられたぁ」
文字通り右往左往する人混みをかき分ける様に白いダウンと白い傘の女の子がバス停に飛び込んできた。
「バスはもう来ないよ」
「知ってる。雨宿り・・・あ、雪か」
「ふーん」
可愛い娘だな。と思いながらもハルは走りだそうとした。
「降るんだね!初めて見たよ」
「雪?」
「違うよ。こんなグシャグシャした雪は初めて見たって事」
感性の豊かな女だな。と思う。
「どっから来たの」
「月」
正直驚いた。月面都市ルナが完成してから移住した者は多いが、「あの一件」以来、月と地球の仲は過去最悪の状態だ。危険極まりない。
12月31日。東京。嵐の夜。小さな屋根付きバス停のベンチに座って卯月晴(ウヅキハル)は空を見上げた。
「畜生ォ。紅白の大トリ間に合わねェなァ」
夜からにわか大雪。傘を忘れたハルは完全に立ち往生だった。目の前の人混みに目をやってみる。
誰もがそそくさと家路を急ぎ右から左へ、左から右へと傘の山が流れていく。
(・・・走るか)
ハルは重たい腰をあげて、僅かにかかった雪を払った。その時だった。
「ひゃ〜やられたぁ」
文字通り右往左往する人混みをかき分ける様に白いダウンと白い傘の女の子がバス停に飛び込んできた。
「バスはもう来ないよ」
「知ってる。雨宿り・・・あ、雪か」
「ふーん」
可愛い娘だな。と思いながらもハルは走りだそうとした。
「降るんだね!初めて見たよ」
「雪?」
「違うよ。こんなグシャグシャした雪は初めて見たって事」
感性の豊かな女だな。と思う。
「どっから来たの」
「月」
正直驚いた。月面都市ルナが完成してから移住した者は多いが、「あの一件」以来、月と地球の仲は過去最悪の状態だ。危険極まりない。
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