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星の蒼さは 2

[687]  金太郎  2008-01-01投稿
「月から来たの?危ないぞ。反月運動、かなり高まって来てるから」

事実、月からの女子留学生が乱暴された事件がつい3日位前にあった。

「そんな事よりさぁ、どうしてこんな黒ずんでるの?雪」

お構い無し。

「黒ずんでるか?」

「めっちゃ」

「そうか」

いつの間にかハルも座り込み、話に夢中になっていた。
ひとしきり喋り、二人とも話し疲れてベンチにもたれかかった。時計は11時50分をさしていた。

「あ、紅白間に合わなかった。ま、いいや」

「えっ!!!」

今にも寝そうになっていた女の子がガバッと飛び起きた。

「今…今何時!?」

「11時…50…51分だけばっ!!」

言い終わる前に首根っこを掴まれ、走りだす。

「なぁっ!?…ちょっ」

「走って!速く!!」

剣幕に押され、黙って従う。はたから見たらかなり滑稽な姿だ。すれ違う人が皆笑っているのが見えた。
当たり前だ。身長170の少年が150位の少女に首根っこを掴まれ引きずり回され、人混みの中を疾走しているのだから。

「待てって!」

人のいない路地に入った所で、やっと少女の手を払う。

「ハァ、ハァ、怒るぞ」

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