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天の詩?

[444]  Joe  2008-01-08投稿
ああ
新八は喉の奥へ唾をおくった。経験している新八にとって話を聞くだけでも、寒気に似た様なものがやってくる。
「それで奴は何と?」
「えぇと、『見つけたようだね』とかなんとか。」
「他には?」
沖田は笑って頭をふった。
「何のこったろうな?そういや、あの化物なんだって俺になんか。それに前んときだって今だって、一体何が目的なんだろうな?」
なぁ?
新八がそう言って土方を見ると、思案顔で少し目が吊り上がっている。
おいおい
小突かれてやっと気付いた。
「うむ?」
考え込むといつもこうなる。
いや
頭を振って腕組みした。
「今それを思案してたんだがな、化物は俺達を利用してやがる。単に食うだけなら、もうとっくにやってる。」
それを
「しねぇのは、何かもっと裏がある。」
「裏ってぇと?」
少し間の抜けた顔で新八が聴くと土方の顔が
ばか
と言った。
「それが分かりゃ苦労はねぇよ。」
「そうか、あんたに分からんものが俺にわかるはずねぇな。」
と妙な納得をすると、土方の顔がまた
ばか
となった。
二人のやりとりを見てくすくす笑っていた沖田が、
ハタ
と手を打った。
「それよりこれからどうするんです?」

と二人の顔が一点に集まった。
「え?!」
一番の問題がそこにある。
「どうする?」
「どうするもなにも、まさか女を連れて帰れまい。」
かといって、
「放っておけば奴に皆殺しだ。まさかそれはできねぇよ。」
考えてもどうどう巡りで、先に進めない。二人とも頭を抱えてしまう始末。
そのうちに日が暮れてきた。
あの
しびれを切らせたみきが恐る恐る口を開いた。
「あの、女のままが駄目でしたら、男になったら駄目ですか?」
え!?
と三人の顔がいっぺんに振り向いた。暫く沈黙があって、やがて新八と沖田が同時に笑いだした。
「そりゃいい。」
「そいつぁいい。」
と声をそろえた。
しかし、土方だけは苦い顔をした。
「無理だ。」
それもそのはず、どう頑張っても隠し通せるとは思えない。おまけに本人は気付いていないだろうが、女としての色香がありすぎる程に出ている。
「では、このまま私をここへ放っておいて、あの気味の悪い男に皆で殺されますか?」
今度は恐じない。何処にそんな勇気があるのか、土方の
ギラ
と光る眼を見ても、びくともしない。

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