携帯小説!(スマートフォン版)

トップページ >> 恋愛 >> 声にでる?

声にでる?

[492]  結衣  2008-01-08投稿

もどりたい季節がある

もどって行きたい所がある

でも
もう私が何度祈ろうが、時間はもどりはしない。

もう一度
あの季節であの場所で
あなたに出会えたら、

私はあなたに
何を伝えたでしょうか…





みんな
私を馬鹿にした。
私は声が上手く出せない

一度でもいいから
大声で笑ってみたかった

でもそれは
無理なこと…
私は産まれた時から
喉の間が人一倍狭く、
呼吸するのも困難だった。

こんな体で産まれ、
両親は私がイジメなどにあわないように、
私のために
クラスの新聞のコーナーに事情を書いてくれたりした。

でもゴメンね。
お母さん、お父さん。


私には
友達もなにも…
クラスの人に馬鹿にされています。

「何とか言えよ」
「こいつ何言っても怒らないぜ」
「アハハ。喋れないんだー」


私は辛くて辛くて
その場から逃げ出した。
自殺しようと
思い、
屋上に飛び出た。


フェンスに駆け寄った。
その時……
「……何してんの?…大丈夫?」



私の肩をつかんだ。
一人の 男子…

私は震えていた。
「…………ぁ……」
かすかな声がこぼれた


「何年? 保健室いく?」

目があつくなったのがわかった。

涙がこぼれた。

「え?!どうしたの!?なんかゴメン!!」

私は首を横にふって
お辞儀をし、駆け足で屋上をでた。


屋上のドアの後ろで
静かに泣いた。
怖かった。

ほんのちょっと前に
私の人生が終わるとこだった。


彼は止めてくれた。
クラスでいてもいなくても
かわらない、
上手く喋れない私を…


私は喉が憎くて
しょうがなかった。
彼に「ありがとう」っていいたかった。


またあえるかな。

冬の屋上……
出会いは…
はじまった……

感想

感想はありません。

「 結衣 」の携帯小説

恋愛の新着携帯小説

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス