星の蒼さは 7
なぜ今になって現れる?
床の中の彼に問うた。
『…私は貴方の妄想に過ぎないんですよ』
赤い口腔が蠢き、彼は喋り返してきた。
『私は貴方だ』
「一緒にするな」
ピシャリと言い放ち、土田は現実に戻ろうとした。
『逃げますか?まるで今の地球人そのものですね』
「なんだと」
『結局、月へ、新世界へ渡った偉人達を、貴方たちは異人、奴隷としか見ていない。餌も満足に与えないのに、無理に飼い馴らそうとする。反撃に出られたら、殺す。逃げですよ。人心とはかくも醜くいものなのですね。…貴方は教えてくれなかった』
「月…なのか」
『何をいまさら…貴方は知っていた。わかっていたはずだ。こうなる事を…』
ビクリとして周りを見渡す。聞こえているはずがない。知られたはずがない。月の侵攻はそう先の話ではないと知っていたことなど
『保身に長けましたね』
「貴様に言われる筋合いは無い」
これ以上「奴」に、「自分」に自分を見透かされたくなかった。
回れ右をして司令室に戻ろうとした。
『失望しました』
「黙れ」
『星は何色です?』
「黙れェ!!!!」
気が付くと、目の前で通信兵が腰を抜かしていた。
床の中の彼に問うた。
『…私は貴方の妄想に過ぎないんですよ』
赤い口腔が蠢き、彼は喋り返してきた。
『私は貴方だ』
「一緒にするな」
ピシャリと言い放ち、土田は現実に戻ろうとした。
『逃げますか?まるで今の地球人そのものですね』
「なんだと」
『結局、月へ、新世界へ渡った偉人達を、貴方たちは異人、奴隷としか見ていない。餌も満足に与えないのに、無理に飼い馴らそうとする。反撃に出られたら、殺す。逃げですよ。人心とはかくも醜くいものなのですね。…貴方は教えてくれなかった』
「月…なのか」
『何をいまさら…貴方は知っていた。わかっていたはずだ。こうなる事を…』
ビクリとして周りを見渡す。聞こえているはずがない。知られたはずがない。月の侵攻はそう先の話ではないと知っていたことなど
『保身に長けましたね』
「貴様に言われる筋合いは無い」
これ以上「奴」に、「自分」に自分を見透かされたくなかった。
回れ右をして司令室に戻ろうとした。
『失望しました』
「黙れ」
『星は何色です?』
「黙れェ!!!!」
気が付くと、目の前で通信兵が腰を抜かしていた。
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