星の蒼さは 8
航空巡洋艦あおかぜ・食堂
(総員戦闘配備を継続しつつ待機せよ。本艦は先刻確認された熱量の調査に向かう。衛星及び現地との連携に混乱が生じているため、本艦は孤立した状態にある。警戒を怠るな。以上)
新年早々ついてねえ。
あおかぜ兵曹、若山剛志は口の中で呟いた。群馬の赤城山の山岳部隊との合同演習からの帰り道。いきなり任務が言い渡されたのだ。愚痴の一つもこぼしたくなる。
とんでもない光と熱が東京で確認されたとは聞いたが、テレビは任務中に見れないし、どうしようもないので忘れようとしていたのだが…。
新年0時10分。
「あ〜あ、面倒くせっ」
ため息をついて特配の天ぷら蕎麦を掻き込んだ。が、がしゃんという音にビックリして全部吐き出してしまった。
「気を付けろ!」
蕎麦の丼をとりこぼしても気付かない若い奴は、鬼軍曹と恐れられた男に怒鳴られても、やはり気付かなかった。
「おい聞いてんのか!?」
右手に持った箸に汁の滴る天ぷらを挟んだまま若い一等兵は絞りだした。
「……東京が……」
数秒後、艦内の至る所から悲鳴とも怒号ともつかぬ声が噴き出した。その中で、若山が聞き取れた漢字二文字。
東京。
(総員戦闘配備を継続しつつ待機せよ。本艦は先刻確認された熱量の調査に向かう。衛星及び現地との連携に混乱が生じているため、本艦は孤立した状態にある。警戒を怠るな。以上)
新年早々ついてねえ。
あおかぜ兵曹、若山剛志は口の中で呟いた。群馬の赤城山の山岳部隊との合同演習からの帰り道。いきなり任務が言い渡されたのだ。愚痴の一つもこぼしたくなる。
とんでもない光と熱が東京で確認されたとは聞いたが、テレビは任務中に見れないし、どうしようもないので忘れようとしていたのだが…。
新年0時10分。
「あ〜あ、面倒くせっ」
ため息をついて特配の天ぷら蕎麦を掻き込んだ。が、がしゃんという音にビックリして全部吐き出してしまった。
「気を付けろ!」
蕎麦の丼をとりこぼしても気付かない若い奴は、鬼軍曹と恐れられた男に怒鳴られても、やはり気付かなかった。
「おい聞いてんのか!?」
右手に持った箸に汁の滴る天ぷらを挟んだまま若い一等兵は絞りだした。
「……東京が……」
数秒後、艦内の至る所から悲鳴とも怒号ともつかぬ声が噴き出した。その中で、若山が聞き取れた漢字二文字。
東京。
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