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星の蒼さは 12

[526]  金太郎  2008-01-21投稿
米軍の決定的敗北から二日後。  
東京

『それは不死鳥の如く』

廃墟と化した首都東京。月軍太陽兵器「THE GOD OF DAY」がもたらした破壊はあらゆる意味で日本国を崩壊へと導いた。
即死者500万人。これは最も幸せな最期を迎えた死者達と言えよう。
測定不能の超高熱は肉体ごと一瞬で生命の魂魄と存在を否定し、肉を炭化させ、骨を溶かし、血を霧と化した。
皮が爛れて水も飲めない、張り付き、汗腺を失った身体が異常発熱する。
煉獄の炎の中で飢餓と渇きに悶え、焼かれ、死んだ者達はどのような気持ちだったのか。

怒り?月への?
憎しみ?煉獄への?
悲しみ?不幸への?
・・・否

疑問。


ただ純粋な疑問。死の理由。己の満足の在り処。飢餓と渇きからの逃げ場。

なぜ。どこにある。

わからない。

知らないのか?

わからない。

じゃあなんでお前は生きている?

言え

わからない!



ポップなWindowsのロゴが目の前を右往左往している。持ち主に構ってもらえず不貞腐れたパソコンが一人で遊んでいた。
………また
滝川恵美は息を吐いた。
横で艦長。と呼ぶ声がする。どうやらこの声に起こされたなと納得する。

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