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指輪

[642]  エグテラ  2008-01-27投稿
………まただ…またあの音が聞こえる。
もういやだ…さっさと…殺してほしい…

いつから…こんなことに…なったのか……


―数日前―

私の名前は綾上由香里。今は広島県の平和公園の近くの会社で、極普通のOLをやっている。

給料はそれ程高くないし、新しい家に住み替えたことから、借金が若干ある。しかし、独身で一人暮らしの私にとって、月20万は、十分だ。

ある日、休暇なため友達数人を呼んで、色々遊んだ時だった。

「あのさ、一人身だし、言っちゃわるいと思うけど………由香里の部屋、汚いね…」
「私も思った…あ、ごめん…」

「いいのよ、自分でも気づいてたから…」

正直悔しい…友達が憎いんじゃない、自分が弱いことが憎い。
前だってそうだ。付き合ってた彼氏にフラれたのも、私の早とちり…

でも私は決めた…前の自分とはお別れ。
「よし…やるぞ!」

部屋を片付けるのは何年ぶりか…ゴミというゴミはないが、ガラクタや手のもげたクマの人形…そして見つけた。これさえ見つからなかったら今頃私は無事だったかもしれない。

タンスの下から、箒に引っかかって光るものが現れた。

遠くても何かわかった。
(指輪………?)

内側を覗いても名前が彫られてない。私の部屋から見つかった…
「やったぁ!よく見たら高価な指輪じゃない…ちょっと古いなあ…」
友達に確認したところ、誰も指輪の持ち主ではないことがわかった。

ウキウキしながら私は自分の指輪のように指にはめた。

事件はそれからだった。

買い物に行こうと家を出ようとノブを握ろうとした瞬間…
「いた!…」
静電気が襲う。
静電気ごときで人間は怖くない。私は手をさすりながら歩き始めた。

しかし…

鏡が道路にたててある。よくある鏡だ。
しかし絶対ありえないものがそこに写り込んでいた…
鏡を覗き込む私の後ろに、誰かの足が見える…

後ろを振り向くと…誰もいない。
ここらはあたり曲がり角だらけなため、一瞬でいなくなることは可能なため、私はまたしても歩き出した。

店につくと肩が妙に重い。
(しょうがない…近くのベンチで座っているか…)
腰を下ろし、肩をさすっていると…

突然携帯が鳴り響いた…

続く

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