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もういない猫

[661]  朔夜  2008-02-05投稿
長年可愛がっていた猫が亡くなった。

僕よりも先に亡くなった。

人と猫とどちらの寿命が長いかと言われれば、
それは仕方がない事だ。

毎日側にいて、可愛いがっていた猫。

血統書付きなんかじゃない普通の猫。
それでも、僕にとっては特別愛しい猫。
僕が拾ってきた猫。

冷たくなった猫の体を、
抱きしめて…
亡くなった事が、悲しくて
何も出来ない自分が、悔しくて
もう戻っては来ないと言うことが、寂しかった。


でも、泣くことすら出来なかった。
きっと、一度泣いたら止まらなくなりそうだから。

訳がわからなくなるまで
大声で泣き叫び続けてしまいそうで
ずっと唇を噛み締めていた。

それでも、溢れる涙は止められなかった。

溢れる涙をそのままに
庭に深い穴を掘り埋めた。
全てが終わった時には、
唇を噛み締め過ぎて、
血の味がした…
僕は生きてる。

きっと、また猫を飼う事があるだろけど
決してお前と同じ名前はつけない。

お前はたった一匹しかいないのだから。

飼うからには可愛いがり最後を看取る。

どんな猫を飼おうとも
僕は、お前を忘れたりはしない。

生まれ変わりが本当にあるのなら
またおいで
待ってるから

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