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他殺倶楽部 後編

[781]  あいじ  2008-02-11投稿

弾丸は真っ直ぐ早苗の頭部へ向かった。
まずは頭皮を貫き、次に肉を抉った。勢いのついた弾は頭蓋ごと彼女の脳を砕いた。
血と脳しょうが吹き出し、手前の鏡が赤く染まった。
普通の人間ならば、気絶か即死は免れない筈だが、モルヒネやアドレナリンに浸かされた早苗は弾丸の衝撃に痛みすら感じず、むしろ目の前の鏡に写った自分の姿や吹き出る肉や血に一種の快感を感じていた。
「んあぁ…きもち…いい…」
その顔は快楽に崩れ、絞まりのない口から涎が垂れ落ちた。
早苗の体はガクガクとふるえ、嗚咽を洩らしながら、もはや立つことすら出来ずにその場に四つん這いの姿勢で倒れた。
彼女の秘部からは愛液が流れ、自然とその手がそこに動いた。
しょう液と血液が周囲を染め上げ、早苗はその中でのたうち周り、自身のその姿を見ては快楽を貪った。彼女は禁断の快楽に全てを任せよがり狂った。
だがその行為も長くは続かなかった。
さっきまで血の中を泳いでいた手足は力を失い、狂ったように輝いていた目も暗く愚鈍としたものに変わった。やがて、糸の切れた人形のように早苗の体は沈黙した。
早苗は顔面に歪んだ笑いを貼り付けたまま息絶えていた。



その動画はそこで終わっていた。
しかし、最後にあの女性が画面ごしに現れ、こう云った。
『当倶楽部では殺されたいという願望を持った方を募集しています。きっとアナタの気に入る殺され方が見つかります。私たちは〔他殺倶楽部〕、私たちは最後の欲望を叶えることができます…』


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