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HIsTORY #2

[462]  RHODES  2008-02-17投稿
第2話 決意

「過去に行きます。」
そう言った瞬間、時間が止まったように思えた。
山彦のように何度もその言葉が響いた。
その静寂を破ったのはラーニャだった。
『本当に行くのか?』
そうラーニャが聞くと、ベルは
「もちろん!何だか面白そうだし、興味あるんだよね。日本の歴史って。」と、笑って答えた。
ベルには自信があった。
その答えを聞いたラーニャが静かに言った。
『了解。ではもう一度聞くが、過去で起こったことや、己に起こったことは、全て自己責任となるが、それでもおぬしは過去へ行くのか?』
この時すでにベルは、腹が決まっていた。
「ああ。じゃあ早く案内してくれ!」と、ベルは威勢よく言った。
するとラーニャは、言った。
『早まるな。その前に言っておかなければならないことがある。さっきも言ったように、過去で起こったこと、己に起こったことは、自己責任だということと、歴史を変えるチャンスは、一度きりだということだ。』
すると、ベルが話を遮り、こう言った。
「・・・?ちょっと待てよ。それってどういうことだ?」
『要するに、江戸時代に行って鎌倉時代に行くことはできないということだ。そして、一度失敗したからといって、再挑戦はできないということだ。』
ベルは一瞬黙り込んでしまった。
失敗できないという重圧に押し潰されていた。
しかし、ベルは気を取り直して言った。
「わーった。失敗しなきゃいーんだろ?何と言われようと俺の気持ちに変わりはねー。過去へ行く。」
予想以上にベルはこのことを真剣に考えていた。
これは、考えに考えての決断だった。
歴史を変えることは容易ではないことも直感していた。
しかし、ベルの頭の中には、今の世の中をどうにかしたいという思いしかなかった。
すると、ラーニャは言った。
『いい心構えだ。では、おぬしはいつに行きたいか?』
「・・・」
ベルは黙り込んでしまった。
いざいつに行きたいと聞かれても、思い当たらない。
すると、ラーニャは突然話を切りだした。
『では、‘弥生時代’なんてどうだ?』
「弥生時代?何故に?」
『弥生時代は、初めてくにを従える大王が現れた時代だ。この時代から政治も始まったそうだ。だから、この時代が現代にも影響を及ぼしている可能性もある。』
ベルは、やっと理解した。

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